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受験情報ブログ

藤村女子中のダンス選抜入試で見た受験生の本気度

2026年2月2日(月)pm実施の藤村女子中「ダンス選抜入試」の様子をお伝えします。

2026年2月2日 月曜日 午後 藤村女子中学校ではダンス選抜入試が行われました。事前に提出する自由曲の動画(1〜2分)と当日の課題曲のパフォーマンスと集団面接によっては選抜されるこの入試は、今回が2年目。昨年は13名がダンス選抜で入学しています。今年は応募者数も増え、応募者のダンスパフォーマンスのレベルもさらに上がっているとのこと。〈取材・撮影・文/教育ジャーナリスト 中曽根陽子〉

真剣に取り組んできたことで勝負するダンス選抜入試

2026年2月2日 月曜日 午後 藤村女子中学校ではダンス選抜入試が行われました。

事前に提出する自由曲の動画(1〜2分)と当日の課題曲のパフォーマンスと集団面接によっては選抜されるこの入試は、今回が2年目。

昨年は13名がダンス選抜で入学しています。

今年は応募者数も増え、応募者のダンスパフォーマンスのレベルもさらに上がっているとのこと。どんなパフォーマンスが披露されるのか楽しみに試験会場に向かいました。

受験生たちは、試験会場とは別の体育館で、ちょうど本番前にウォーミングアップを行っていました。その様子を見守るのは、同校のダンス部コーチも務めるCHIHIROさん他3名のダンサーの先生と同校の教員たち。練習時間の最後には、CHIHIROさんから「うまく踊ろうというより、自分がやりきった!と思えるようなパフォーマンスが見たい。緊張するだろうけれどリラックスしてね」と一人一人とハイタッチして受験生を励ましていました。

課題曲はYOASOBIの群青。1分の実演中2/3は振り付けが決まっていますが、最後の1/3は自由に振り付けして踊ります。

試験会場の体育館は3人同時にパフォーマンスを披露できるようにブースに仕切られ。それぞれダンサーと本校の教員がペアになって採点をしていきます。

いよいよ入試がスタート。名前を呼ばれて緊張した面持ちで入場してくる受験生たち。

受験票を渡して名前を言うところから入試は始まっています。

準備が整ったのを見計らって曲が流れると一斉に踊り出す受験生たち。みるみるうちに顔つきが変わり、踊りに没入していく受験生。1分間のパフォーマンスが終わった後のやり切ったという姿を見て「ダンスが大好きで、ここまで本当に真剣にダンスに取り組んできたのだな」ということが伝わってきました。素人の私が見ていても一人一人全く印象が異なり、同じ振りでも、それぞれの個性が表れていました。

パフォーマンスが終了すると、試験官の先生からフィードバックを受けてから面接会場に向かいます。そのフィードバックもとても暖かく、それぞれの良いところを見ようとしている様子が感じ取られました。

評価の観点は、①熱量②独創性③曲との同調性の三つ

ダンス選抜入試の評価の観点は、①熱量②独創性③協調性の三つ。中でも熱量を重視しているというCHIHIROさんも、今年の受験生のパフォーマンスのレベルの高さに驚いていました。

ダンス入試を始めた意図を伊藤拓未副校長は、「本校は、2027年から全く新しい学校に生まれ変わります。学校改革を進めていくなかで『自分の個性を、熱量を持って輝かせていける子どもたちを育てたい』というパーパスを決めた時に、実際にそのように生きている人たちに会いにいきました。

その一人が今日試験官も務めているCHIHIROさん【写真右上】でした。ダンスの競技人口はサッカーを超えるとも言われていて、日本でも2012年の中学校でのダンス必修化やブレイキンの五輪種目化を背景にダンス人口は増えていて、学習塾に行くのと同じぐらいダンススクールに通う小学生は多いということ。ダンススクールは振る舞いなど生活指導も厳しい一方で、メタ認知能力や表現力など非認知能力を育むには最適なスポーツだと感じました。AI時代に、従来の学力を測る以外の物差しを作れたらと思って、ダンス選抜入試を実施することにしました」と話します。

「知らず知らずに隠してた本当の声を響かせてよ」


ダンスの課題曲「群青」にはこの入試への学校からのメッセージも込められているようです。

パフォーマンスの後は、3人一組で面接が行われていました。

面接官は2人。事前に提出した活動歴PRシートをもとに、ダンス選抜を選んだ理由、これまでに熱量高く取り組んできた経験や、入学したらやりたいことなどを一人ひとりに聞いていきます。

好きなことに取り組む意欲を学校生活のモチベーションに!

「入学してもダンス部に入らなくても良くて、好きなことを追求できると聞いて、この学校を受けようと思った。ダンスは好きで一生懸命やってきたけれど、中学生になったらダンス以外のことにもチャレンジしたい」
「ダンスが得意で好きだからこれからも頑張るが、世界で活躍したいから留学も考えている。入学後は英語も頑張りたい」と自分の言葉で話す受験生たち。

面接官も、受験生の緊張をほぐしながら言葉を丁寧に聞き取り、その意図を汲み取ろうとする温かい時間でした。

学力テストに引けを取らないユニークな選抜方法!

ダンス選抜入試は、2日と6日の2回行われました。

それぞれの受験者数と合格者数は以下の通りです。   

      志願者数 受験者数 合格者数

2月2日PM  27名   26名   16名

2月6日PM  20名   14名   10名

ダンスパフォーマンスと面接だけで合否が決まると聞くと、多分、「それで入試になるの?」「学力は測らなくて大丈夫なの?」という疑問を持つ人がいるでしょう。

しかし、自分が本当に好きで真剣に取り組んできたもので勝負する。これは、学力テストに引けを取らない選抜方法だと私は感じました。

藤村女子を創立した藤村トヨは、女子体育のパイオニアであり、女子教育近代化の先駆となった女性です。ダンス選抜は、そうした本校のDNAとも親和性が高いと言えるでしょう。

伊藤拓未副校長は、学校改革を進めるにあたり、藤村トヨの残した書物を読み解く中で、「すなわち教育とは他人の知識の注入ではなくその人の個性の発展である」という言葉に打たれたと言います。

そもそも教育は何のためにあるのかという原点に立ち、いわゆる大学入試のための学力だけを上げていくのではなく、アートや感性、テクノロジーを使いこなす力、グローバルな視野等々、自分の個性を発揮して生きていく力を育てていく学校に変えていくという藤村女子中学校・高等学校。

来年4月より男女共学化。校名を吉祥寺湧水(ゆうすい)中・高に

2027年4月より、校名を「吉祥寺湧水(ゆうすい)中学校・高等学校」に変更し、男女共学化へ移行します。

新校舎建設のために三鷹市の仮校舎でのスタートとなりますが、新しい教育を行うにふさわしい施設を整えたものなる予定。

新しく生まれ変わる学校のこれからが楽しみになりました。

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