駒込のWeb特別編
2026年に創設されたONETES学院中学・高等学校。 私立中の新たな「新タイプ入試」ともいえる同校の「総合型入試」は、 2010年入試から始まりました。その入試で求められる力を同校の先生方にお聞きしました。
情報誌『edu Polaris』2026年7月5日発行)連動特別企画
1931年に光塩高等女学校として創設された光塩女子学院。 総合型入試の先駆けともいえる同校の「総合型入試」は、 2010年入試から選択制で実施、その後2016年に選択制ではなく 別に入試日を独立させた形で始まりました。 本格的に取り組み始めてから、間もなく10年。その手ごたえを、 教務主任の塚田聡子先生(社会科/地理/探究チーム)と 進路指導主任の山本明先生(理科科/物理)に聞きました。
ONETES学院中学校の「適性検査型入試」が求める力とは?

「その場で考える力」を育むことは、 大学受験でも強みとなる
――「総合入試型」を2月1日午前に実施されていますが、 いわゆる4教科型で合格を目指す生徒さんとは違った 個性を求めたいという意図があるのでしょうか?
山本先生:総合型を導入する前は、地道にコツコツ勉強する タイプの生徒が主流だったと思います。教科型入試では多く の知識が求められますし、それも当然必要な力です。でも総 合型を導入して、「その場で考える力」「瞬発力」「チャレン ジ精神」などに長た けた生徒が増えてきました。「発想力と伸 びしろ」のある子に来てほしい、そんな思いでこの入試を始 めましたが、確実に成果が出ていると思います。当初はもっ と少人数での募集でしたが、4教科型入試で合格した生徒と、 総合型入試で合格した生徒、違うタイプの生徒たちが入学後 に刺激し合って成長する姿を見て、総合型の定員を増やそう という方向になっていきました。
――「その場で考える力」はいまの大学入試でも重視されて いますし、変化する世の中に対応するうえで、まさに 求められる力になっています。
山本先生:ふり返ってみると、「総合型入試」を始めたときは、 まだ国公立大学の後期日程が多くあった頃でした。この総合 型入試のアイデアは、その頃の受験生たちと大学入試の準備 に取り組む過程からでてきたものでした。たとえば大学入試 では、初めて目にするような実験が題材になっている問題も あります。でもそれは内容を読んで、その場で考えて、持っ ている知識を駆使していけば解くことができる問題です。
「この入試問題を解いていて楽しい」と思って受験してもらえたら...
山本先生:そんな問題を大変だなと感じる人と、楽しいなと思う人が いました。後期日程で合格していくのは、後者のそんな問題 を楽しむ人たちで、過去問の練習をしながら、急激に大きく 実力を伸ばしていました。その経験から、中学受験の段階で、そういう初めて見る問題を楽しめる人を見つけていくのはどうか、という思いがで てきたのです。
――そのような力をもった生徒さんたちは、現在の大学入 試、その先の社会でも大きな活躍ができそうです。
塚田先生: 大学入学後もその先も、学び続ける力のある生 徒たちをたくさん見てきています。卒業生たちが大学での 学びを、「光塩での学びが土台となっていると感じる」と言ってくれるのを聞くと、6年間で養うことができた力を実感 できます。そして彼女たちこそがこの学校の本当の財産だ なと思いますね。
――作問についても伺わせてください。この入試は教科横 断型という意味で、いわゆる「適性検査型」の入試に 近いように思いますが、いかがでしょうか?
塚田先生: もちろん教科横断型という意味では「適性検査 型」との共通項はあると思います。でも光塩の「総合型入試」 は、いわゆる「〇〇型」のように型にはめる必要はないと思っていますし、都立校のどこかを意識して作問するというこ ともまったくありません。
――確かに先生方の個性がそのまま活かされたような、オリジナリティにあふれた問題ばかりです。
塚田先生: だからこそ、見ていてわくわくする答案にも出 会えるのだと思います。発想がおもしろいのはもちろん、 そういう答案からは、表現したい、伝えたいという思いが 伝わってくるんです。文章に力がある答案は、読んでいて わくわくしますね。
ONETES学院中の適性検査型入試が求める5つの力
――作問、採点はチームで行われているのでしょうか?
塚田先生: そうですね。わが校はもともと共同担任制をとっていて、1学年につき6~7人の教員で学年全体をサポートしています。その体制が教科横断型の作問をするにあたって役立っているのだと思います。問題作成に限らず、教員 同士が協力することには昔から慣れていますから。
山本先生:「小学6年生にいま考えてほしいことはどんなことか」「こういうことを聞いたら、受験生が楽しめるんじゃないか?」などのアイデアをもとに、チームでおしゃべりしているうちに問題の完成に近づいていくという感じです。採点については記述問題も多く時間がかかりますが、加点方式で答案の良いところを探すという作業は、採点する人間にとっても刺激を受ける楽しい時間です。
――総合(100点)に加えて、算数基礎(50点)、国語基礎(50点)の3科目で行われる入試方法も特徴的です。
山本先生:算数、国語については、基本的な力があれば入学後に育てられると思っています。小6の段階でそこまで難しい算数や国語の問題が解けなくても、最低限の基礎力と意欲があれば十分です。
塚田先生:苦しんで入試を突破するという感覚ではなく、この入試問題を解いてよかった!という感覚をもって入学してくれるとうれしいですね。「この問題を解いていて楽しい」と思う子たちに入学してほしい、それがこの入試に関わる先生たち全員の気持ちだと思います。
教育情報誌『edu Polaris(エデュポラリス)』とは
『edu Polaris』(旧『myTYPE)は、ONETES株式会社(旧・首都圏模試センター)が発行する、中学入試を中心に、私立小学校の教育やインターナショナルスクールなどの学校情報も合わせて紹介し、「5歳~12歳の進路選択を、未来から考える」というコンセプトで2026年からリニューアルした教育情報誌です。偏差値や現状の大学進学実績にとらわれることなく、受験生の「タイプ」に応じた学校選びの視点をお伝えしていることが特徴です。学力だけでなく個性や学び方に合った進路を考えるヒントが得られ、保護者にとっても教育方針や学校生活を知る貴重な情報源となります。受験を通じて子どもの未来を見つめるきっかけとなる一冊です。今回は、2026年7月5日発行の『edu Polaris』7月号に掲載した記事をご紹介します。
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