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学校特集

三田国際科学学園中学校・高等学校2026

卒業生の進路が証明する世界標準の教育とその成果

掲載日:2026年6月1日(月)

 三田国際科学学園が校名を改称後、最初の卒業生を送り出しました。その進路に着目すると、東京大学に5名(8名受験)が現役合格。学内の合格率は62.5%に及びます。医学部医学科に28名、海外大学に156名が合格(6月4日現在)したほか、東京藝術大学にも2名が合格。早慶上理ICUは136名、GMARCHは143名が合格。早稲田大学では多様な学科に合格しており、多彩さが目を引きます。それは、生徒一人ひとりの生まれ持った才能もありますが、学園生活の中で見出し育んだ好奇心や探究心をベースに、自分の将来をイメージし、自分で進路を選んで立ち向かった成果とも言えます。
 三田国際科学学園というと「INTERNATIONAL」や「SCIENCE」に目が行きがちですが、生徒が自分で走り出す環境こそ最大の魅力です。同校のすべての学びと活動の中心に「THINK & ACT」がしっかりと根づいているのです。入試において、年々、第一志望の受験生が増えているのも、学園祭や学校説明会などを通して、中学受験生にもそこが十分に伝わっているからでしょう。
 同校の門をくぐったら、どんな自分に変化するのか、予想がつかないから面白い。そんな期待感をもたせてくれる学校を、生徒とともに共創する中学校長の原田啓志先生と、教頭・広報部長で、キャリア教育を担当する内田雅和先生、そして開校準備・中学1期生の生徒募集から一貫して広報活動に尽力してきた今井誠先生に、進化を続ける環境について伺いました。

1期生に響いた「発想の自由人たれ」という理念

 卒業生(中学5期生)に、「三田国際科学学園はどんな学校か」と尋ねると、幅広い進路を実現していることから「ハブ空港」に例えた卒業生がいました。一人ひとりが自分の行き先を決めて羽ばたける、多様性に満ちた学校だからでしょう。

三田国際_中学校長 原田啓志先生
中学校長 原田啓志先生

原田校長:彼らと入れ替わりで入学した生徒たちは、中学12期生になります。他校さんと比べると、まだまだ新しい学校ですが、高校の卒業式が終わると、卒業生が卒業アルバムを持って列を作ります。本学園のビジョンである「発想の自由人たれ」という言葉を、大橋学園長に書いてもらいたい一心で集まる恒例のシーンですが、今年できた大行列は、これまでにも増して長かったです。中には、学園長が「発想の自由人」と書いたら、「〝たれ〟をつけていただけませんか」と言う生徒がいました。そのやりとりを目にして、この言葉が本校の目標値を示すものであるという認識が、生徒に浸透していることを実感しました。

内田先生:例えば、昨年度の中学生徒会長は、新入生との対面式で挨拶をしたときに、自分の好きな言葉として、この「発想の自由人たれ」を贈っていました。「その言葉に僕は救われたんだ」と言うのです。三田が第1志望ではなかったけれど、入学して、三田の教育を受けてその言葉と出会い、「これが僕の今1番好きな言葉なんだ」と高らかに語れるのは、本人の意識に浸透しているということです。入学式のときに聞いたあの言葉の意味は一体なんなのか。そこを意識している生徒たちなので、生徒会長が新入生に対して堂々と伝えられるのだろうと思っています。

三田国際_卒業生寄贈の記念碑
卒業生寄贈の記念碑

原田校長:普段、中学生の授業の様子を見て回っても、「前を向いて話せる」「自分の考えをしっかり述べられる」「自分から発信できる」そんな生徒の集まりになっていると感じます。2015年に三田国際学園としてスタートするときに、大橋学園長と教員との間で共有した、時代を読み解き、その時代のニーズに合う人材を育てていこうという、いわば設計図のようなものは、10年あまりの時を経てほぼ形になり、進路においても生徒一人ひとりの思いがかなう学園になってきていると思います。

積極的に挑戦し続ける姿勢は「教員研修」の賜物

「その設計図は普遍の真理だった」と明かすのは、受験生の保護者の方を前にして、常に学校が目指す姿を言葉にしてきた今井先生です。

今井先生:時代がどう変わっても、それは変わらず、しかも平面ではなく立体的に構想されています。そこが生徒の成長につながっていった要因だと思います。

 立体的とは、論理的に考えること(ロジカルシンキング)から始まり、「それって本当なの?」と疑ってみるクリティカルシンキングを経て、クリエイティブシンキングに至るという、PBL型の学びです。知識の習得から始める従来型の学びを積み重ねるのではなく、問いを立てて考えることから始める。わからないことがあれば、自分で学び、深めていく学び方です。

今井先生:全教科で、全教員がPBL型の授業をやり続けると、わからなければ自分で学ぶということが習慣になります。合わせて、中2から2年間かけて、全クラスで自分のテーマを探究するゼミナール形式の授業に取り組みます。そこでは中1のサイエンスリテラシーで身につけた「科学的アプローチサイクル」(問い→仮説→調査・実験→分析・考察→考えの構築→表現・発表、というサイクル)を実践していきます。  このサイクルを意識しながら、6年間愚直にやり続けることによって、「科学学園」たるベースができ上がっていきました。

三田国際_40人のITが生徒の学校生活をサポート
40人のITが生徒の学校生活をサポート

 それはたやすくできることではありません。40人に及ぶIT(インターナショナルティーチャー)を含む、多様な考えをもつ先生方が、一つにならなければ形にはならなかったでしょう。その実践に向けて、教員研修を年3回実施。「全教員が参加して、愚直に取り組み続けてきたからこそ、いろいろな形で実を結んでいる」と、原田先生は話します。

原田校長:そのときに何をやるかは、大橋学園長と相談して決めています。これをやればこうなるというものはありませんから、最初のうちは、これをやらなければ後がないぞというような気持ちで取り組んでいたと思います。納得感を得たのは、1期生が中3になったあたりです。生徒たちが大きく変わった実感がありました。とはいえ、その先にまた課題が出てきます。忍耐が必要な時期もありました。先生方は勢いをもって臨んでいるのだろうか。それもわからないまま進めている時期もありました。先生方が自分事として研修に参加していると感じるようになったのは、ここ数年のことです。例えば、教員間で対話を積み重ねるうちに、気づいたら同じ方向を向いていたというようなことが今、起きています。次第に研修に対する信頼感に包まれて、難しいことも、できないことではないと考えられる職場になってきました。それは生徒たちにもいい影響を与えているのではないかと思っています。

 1期生が高2、高3になると、生徒会や委員会活動とは別に、生徒による有志団体が次々に生まれました。

三田国際_盲導犬との共生社会を目指す活動
盲導犬との共生社会を目指す活動

内田先生:学校として大事にしている「THINK & ACT」を行動で示してくれたのです。単純に、探究活動を目的とした団体もありますが、ジェンダーの多様性を広める目的で活動する「プリズム」という団体のように、改革に取り組む団体もあります。女子の制服にズボンが導入されたのは、意見を集めて提案に結びつけた、この団体の活動成果によるものです。先輩から後輩へ受け継がれる団体もあれば、2期生以降も毎年いろいろな団体が誕生しています。

 同校が変化し続ける時代で求められるものとして、具体的な育成指標に定めている「12のコンピテンシー」の、中央に位置しているのが「共創」です。生徒たちは共に創ることを学んでいるので、何かを変えようと思ったときに、自分だけでなく仲間を増やしたりすることができます。人任せにせず、自分が学校を良くしていくという意識をもって行動につなげていく姿は、まさに同校が推奨する「貢献」という学びの姿勢なので、先生方は温かい目で有志団体の活動を見守っています。

内田先生:2期生が高2の年はコロナ禍で、「医療従事者を応援できるようなものを作りたい」という生徒たちが、映像制作の団体を立ち上げました。そのうち「学内のいろいろな発信に貢献したい」という声があがり、音楽会を自分たちで撮影・編集した映像をYouTubeでアーカイブ配信したり、スポーツフェスティバル(体育祭)では撮影のみならず、実況も行った動画を配信したりしてくれました。その活動は、彼ら自身が卒業後にやりたいことを考えるきっかけにもなりました。原田校長がよく「未来を変えるのは自分たちだよ」というメッセージを送っています。そうした言葉かけは1期生が入学した当初からあり、有志団体の活動の進化にもつながっています。学園祭のチケットの電子化を実現した団体もあり、これからが楽しみです。

自分自身を見つめる「キャリア教育」

 生徒が歩みたい道を自分で考え、切り拓いている背景には、もう1つ、大きな柱があります。それは、内田先生が推進する「キャリア教育」です。

三田国際_教頭・広報部長 内田雅和先生
教頭・広報部長 内田雅和先生

内田先生:キャリア=仕事ではありません。キャリア=人生そのものです。どう生きていきたいのかを念頭に置き、人生の選択を自分で決めていくことができる力を身につけてほしいと日頃から考えています。中1から6年間にわたり、自分で問いを立て、その答えを見つけていくサイエンスの手法で、社会とどのように関わり、貢献していくのか。その方向性を段階的に模索しながら、進路までつないでいきます。本校では帰国子女の入学者数が年々増えていて、今の高2(8期生)などは、全体の3分の1が海外生活を経験しています。ITも40名いますが、バックボーンが異なる人たちが集うこの環境を活かして、日本だけではない感覚を身につけるとともに、多様性を受け入れ合うことによって思考の幅を広げています。「サイエンス」と「インターナショナル」が縦糸と横糸のように編み込まれているキャリア教育は、どこをどう切っても本物だということを、最近、特に感じています。

 キャリア教育の一部が家庭科の授業の中で行われています。内田先生は社会科ですが、東京都に特別免許を申請し、家庭の中での自分の役割や金融教育を担当しています。

三田国際_秋の学園祭でのプレゼンテーション
秋の学園祭でのプレゼンテーション

内田先生:例えば、中1のテーマは「自己理解」なので、「家庭における自分の取扱説明書」を書いてもらいます。「自分はこういうときに嬉しくなるよ」「母のこの言動に、私は傷ついているよ」など、いくつか説明書の書き方を示した上で書いてもらうと、その作業を通して、自分はこういう考えを持っているんだと自覚します。グループ内で取扱説明書を交換し、お互いに確認し合うと、家族のあり方の違いに気づきます。夏休みには、お世話になった方にインタビューして、他者から見た自分を考えます。そして秋の学園祭では、自分で集めた情報をまとめ、自己理解をテーマにプレゼンします。そのとき、クラスメイトから「僕はマサチューセッツ工科大学に行きたいんだ」などと言われると、進学先としてアメリカの大学を考えてもいいんだと気づきます。英語ゼロベースで入学した生徒が海外大学に進学するケースがありますが、きっかけはこうした日々の中にあります。プリンストン大学に進学した4期生も、英語はゼロベースでした。しかし自分のやりたいこととキャリアを考えて、海外大学で学ぶことを選択し、挑戦したのです。自分で自分の人生を決めているところが、大きなポイントだと思っています。

原田校長:中学生と接すると本当に柔軟で、無限の可能性を感じます。生徒のその先は誰もわからないということを前提に、この学園がしっかりと成り立っていることが、私は大きいと思っています。

 一人ひとりが自分で自分のキャリアを構築していく土壌の豊かさを測るものさしの一つに、MIF(学園祭)があります。

三田国際_学園祭には毎年多くの来場者が!
学園祭には毎年多くの来場者が!

原田先生:アカデミック、エンターテインメント、ホスピタリティを3本柱に、毎年、生徒が工夫を凝らすのですが、4年前に大きく変わりました。プレゼンテーションを主体とした、アカデミック重視の学園祭に、ほどよくエンターテインメントをミックスし、学園のアイデンティティはそのままに、楽しい学園祭を作り上げたのです。自己満足のお楽しみではなく、大人にも喜んでもらえるクオリティを実現できたことに、成長を感じました。今、生徒たちは自分たちの学園祭を誇りに思っていると思います。

 最後に原田先生、内田先生からのメッセージです。

内田先生:受験生の皆さん、学ぶことを楽しんでいますか。大人になっても学び続けることが大事なので、楽しみながら入試を迎えてほしいですし、入学後も学ぶことを楽しんでほしいと思っています。また、挑戦し続けることを大事にしている学校でもあるので、変わり続けること、挑戦し続けることも楽しんでもらえるといいなと思っています。

原田校長:AIなどテクノロジーの進歩は想像を超えるスピード感があります。そういう社会で我々がやるべきことは、人間としてのオリジナリティの部分を、教育の中でいかに培っていけるかだと思っています。自分で考えて、行動して、自分の感性でそれを受け止めるという本校の「THINK & ACT」は、まさにオリジナリティだと思います。大橋学園長はこの頃、「一次情報の発信者たれ」という言葉を使うのですが、その意図は「一次情報(その人自身が最初に獲得している情報)をいかに持つか。そして人に発信できるかが大事だよ。そういう存在になれ」ということだと思います。もちろん、誰もが最初から英語で上手にコミュニケーションを取れるわけではありません。自分から行動することが苦手な生徒もいますが、三田国際科学学園生の「切符」を手にして、入学してくだされば、私たちは6年間かけて成長の後押しをすることが使命だと思っています。一緒に未来を切り拓いていきましょう。

【2026年入試リポート】

 2025年に発想の拠点「ゼロワン」が誕生し、2026年入試ではサイエンス教育を軸とするMST入試への出願が増えるのではないかとの向きもありましたが、MSTCよりも、国際教育とサイエンス教育をかけ合わせたISCを選択するご家庭が目立ちました。
 2026年入試のトピックは、同校を第1希望とする受験生が大変多かったことです。お子さんの6年後、あるいはその先を見据えたときに、どんな時代になろうとも対応できる力を養うための教育を行い、多様な進路を実現している学校として受け入れられている証と言えるのではないでしょうか。

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