学校特集
佼成学園女子中学高等学校2026
掲載日:2026年10月1日(木)
「平和社会の繁栄に貢献できる人間の育成」を教育理念に掲げる佼成学園女子中学高等学校。複数の教員で生徒を支える「チーム担任制」、楽しみながら英語力を伸ばす独自プログラム、学校だけで受験対策が完結する「校内予備校」など、生徒一人ひとりの可能性を引き出す教育を実践しています。その特色について、国語科教諭で広報部長の楓 淳一郎先生に伺いました。
複数教員で生徒を見守る
「チーム担任制」
佼成学園女子中学高等学校の校訓には、「行(体験)」と「学(学問)」を重んじるという創立者の教えがあります。行と学の双方が、常に両輪でまわるような教育を行い、人間力を磨きながら成長することを目指しています。そのため同校では、生徒の健やかな成長を促すようなさまざまな取り組みが整えられています。
そのひとつが、2020年度より中高に導入した「チーム担任制」です。これは、1人の教員が1つのクラスの固定担任になるのではなく、4~5人の教員がチームを組み、1学年(3クラス)の担任になるという体制です。導入背景には、「生徒の多様なニーズに応えたい」、「複数の教員が多面的に見守る安全な環境を作りたい」という学校の切実な思いがありました。
広報部長の楓 淳一郎先生は「チーム担任制」への思いをこう語ります。
「いまは社会の変化が加速度的に進み、多様性が重んじられる時代です。本校においても生徒の個性や進路が多様化するなかで、1人の担任が1クラス30~40人の生徒全員に十分な指導を行うには限界があるのでは、という考えに至りました。加えて、旧来の固定担任制は、クラスによって指導内容にバラつきが出てしまうという悩みもありました。そこで年齢や性別、経験値、強みなどが異なる教員たちがチームを組む『チーム担任制』を導入することにしたのです」
導入後、すぐにコロナ禍に見舞われましたが、同じチーム内の教員同士が連携することでICT教育への移行がとてもスムーズに行われたそうです。
また、「チーム担任制」には生徒側と教員側の双方に大きなメリットがあります。
「複数の担任教員が受け持つことになるため、生徒は自身が話しやすい先生を選んで相談したり面談したりできます。例えば、思春期ならではの悩みは女性教員に、進路の悩みはベテラン教員に、と生徒は複数のチャンネルを持つことができるのです。自分を理解してくれる先生と信頼関係を築ける心強さは、多感な時期の大きな支えになります。なかには、"大好きなこの先生にならなんでも話せる"といった生徒もいるようです。教員にとっては、トラブルが起きたときも教員同士で連携することで早期に対処できる、ひとりで問題を抱え込まずに済むという良さがあり、生徒・教員の両者にとって魅力の大きい体制です」(以下、楓先生)
教員はチーム内で密に連携を取りながら情報共有を行い、生徒一人ひとりの学習状況、成績、行事や部活動での様子などを把握します。学習面の各種提出物、成績表、大学進学のための必要書類といった書類上の管理については「責任担任」を置くことで、抜け漏れが出ないように徹底しているそうです。こうした「チーム担任制」に「責任担任」を組み合わせたハイブリッドな体制は、生徒・教員・保護者の三方良しで、同校に定着しています。
学校が生徒にとって安心感や信頼感を抱ける環境であること。この揺らがない基盤があってこそ、学力向上や人間的成長を目指せる。佼成学園女子の考えを象徴するような取り組みです。
「楽しい」から続く!
6年間の英語力育成
同校では、教育理念の「平和社会に貢献できる人材を育成する」に繋がる学びとして、英語力・異文化理解・国際感覚を磨くことに、長年尽力してきました。生徒は大学受験のみならず、実社会で役立つ「一生ものの英語力」の習得に力を注いでいます。
「本校の場合、英語の授業数が多いことが特長のひとつです。例えば中学1年生の場合、英文法を週4・英会話を週4で実施。加えて、音楽と美術もネイティブ教員がオールイングリッシュで授業を行います。トータルで週10時間、つまり公立中学の2.5倍もの時間で、英語に触れることになります」
英語と英会話の授業は、習熟度別&少人数の3クラスに編成して行われます。中1の時点で、約9割が初級~中級クラス、残り1割が上級クラス(帰国子女やインターナショナルスクール出身者)という構成です。授業は「量」だけでなく、「質」にもこだわっています。
「英語と英会話の授業は1クラス10人前後の少人数で行うため、教員は一人ひとりに目が行き届いた指導が行えます。そして、生徒は自身の学力に応じた内容と進度で着実に英語力を高めていけます。本校が大事にしているのは、"国公立大学や海外の大学へ何人進学したか"といった学校としての実績ではなく、"生徒一人ひとりがいかに成長できたか"です。『最初はこれだけしか話せなかったのに、今はこんなに話せる!』、『もともと得意だったけれど、さらに力を伸ばせた!』といった生徒の喜びと成長にしっかりとコミットしたい。本校には、そうした教育観がかねてより根づいています」
とはいうものの2026年春の卒業生たちは、東京外語大学や慶應義塾大学、早稲田大学や上智大学、青山学院大学、北里大学など、さまざまな大学へ進学しています。
習熟度別クラスでは、学期に1回、英語でのスピーチコンテストも開催。生徒は探究学習で得た社会課題などをテーマに、資料の構成や表情・ジェスチャーなども工夫して、表現力を磨いていきます。
生徒の英語力の伸長ぶりは、英検の合格実績にも明確に表れています。中1の最初に英検5級からスタートした生徒がほとんどを占めるなか、学年のおよそ3分の2が、中3の時点で準2級を取得しており、なかには準1級を取得する生徒もいます。この目覚ましい成果の背景には、「楽しく学ぶ」ための学校側の工夫がありました。
「本校では、6月・10月の年2回、英検を全学年で必須受験としていますが、その1~2週間前から『英検まつり』を行っています。具体的には、生徒は朝の30分間、iPadで英単語学習アプリの「mikan」を活用して英単語を暗記。クリアするとポイントがもらえ、貯めたポイントは個人戦&クラス対抗戦で競い合うというものです。上位者はプレゼントを獲得できるため、生徒たちは皆、楽しみながら覚えられるのです」
「英検まつり」は体育祭や文化祭と並ぶ、人気のイベントとなっています。なかには、mikanでの学習が習慣化している生徒もいます。こうした学校全体で取り組む英語教育は、他教科や大学進学へも良い効果をもたらしています。
「英語力を磨くことは、大学受験にも当然有利です。一般受験の場合、英語の配点が高い学部学科が大半です。そのため英語力を高めることは、入試の得点率や合格率も高めることにもつながります。そして英語力に自信がつくと、『ほかの教科も頑張って取り組んでみよう』という意欲にも結びついています。英語だけでなく他教科の学力を伸ばすことで、偏差値的に上位の大学への合格・進学も叶いやすくなるでしょう。入学から卒業までの6年間での生徒の学力伸長度には目を見張るものがあり、毎年多くの保護者からも感心の声が寄せられています」
フェロー&チューターが
伴走する進路サポート
英語教育と同様に、同校が熱心に取り組むのが進路指導です。生徒一人ひとりの希望や強みに誠実に向き合い、その進路の実現に向けてサポートする万全のシステムを整えています。その代表的なものが、塾さながらの「校内予備校」です。
「『校内予備校』は、中2~高3を対象に申込制で放課後に実施しています。
中2~高1では、基礎的なものや探究学習などのほか、成績中上位向けの高難易度の学習まで幅広く用意し、本校教員が講習を行います。生徒の『苦手教科を克服したい』、『得意教科をさらに伸ばしたい』というどちらのニーズにも応えるものとなっています。
高2・高3では外部から大学受験専門のプロ講師を招き、受験対策を行います。受験に必要なすべての科目が揃っているので、受験勉強はすべて学校内で完結できるイメージです。その上、費用は大手予備校の半額程度に抑えられ、通塾時の移動時間も省けますので、大変効率的です」
なお中1は、学校生活に慣れることを第一優先とするため実施していません。ただし、英・数・国においては、テストの点数や提出物が芳しくない生徒を対象に「サポート講習」が行われています。
「校内予備校」を支えるのは、教員や外部講師だけではありません。同校専任の大学受験専門スタッフ・フェローが常駐しています。
「フェローは、いわば受験戦略を考える専門家であり、生徒のメンター的な存在です。生徒と面談を行い、モチベーションを高める、得意科目や不得意科目を確認する、生徒の将来の夢を聞き、そこから逆算して必要な学習や進路を考える、入試スケジュールを組むなど、さまざまな役割を担います。最終的には、保護者との面談も行います」
同校では、約30年前からフェローを置いています。大学受験を目指す生徒と保護者にとっては、とても心強い存在です。フェローのほか、40名ほど在籍する卒業生のチューターたちも生徒に寄り添い、伴走します。
「チューターは大学生のため、生徒と年齢が近く、本校のことも理解してくれているので、より気軽に頼れる存在です。ちょっとした悩み相談にも乗りますし、問題を一緒に解くこともあります。チューターへの感謝と憧れの念を抱き、いずれは自分もチューターになって学校に戻ってきたいと考える在校生も多いですね。チューターが学校説明会のお手伝いに参加してくれることもすっかり恒例となりました」
大学進学は、生徒が自分の夢を叶える第一歩。教員、外部講師、フェロー、チューターがそれぞれの得意分野を発揮して、全力で生徒たちを支えています。
生徒の自己決定を支える教育観
「チーム担任制」、「英語の学習環境の充実」、「校内予備校」に共通しているのは、生徒の個性や学力に応じるものであり、それぞれの要望や希望を叶えるために存在しているという点です。
「結局のところ、教員の願いは保護者の方々と同じで、『(生徒・子どもに)幸せな人生を歩んでほしい』ということに尽きると思います。幸せの指標はさまざまですが、そのうちのひとつに自己決定権があります。つまり、自分が『こうしたい』と思った時に、それを無理なく選択できることです。そのため本校では、『私はこれを頑張りたい!』という生徒の意欲に対して、『よし、じゃあそれを最大限サポートするよ!』という仕組み・環境を全方位から備えているのです」
生徒が安心して挑戦できる環境を整え、一人ひとりの可能性を着実に伸ばしていく。佼成学園女子中学高等学校の教育には、そうした揺るぎない姿勢が一貫して息づいていました。
中学・高校というかけがえのない6年間を、自分らしく成長できる場所で過ごしたい――そんな願いを持つ受験生に、ぜひ注目していただきたい学校です。
