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学校特集

和洋九段女子中学校高等学校2026

「英語は楽しい!」経験を積み重ね成長する、和洋九段の英語教育

掲載日:2026年7月15日(水)

1897(明治30)年、和洋裁縫女学校として創設した和洋九段女子。社会とのつながりを大切にする「Connected School」をキーワードとする同校ですが、このつながりは生徒たちと先生方との"縁"としても、あたたかな結びつきを育んでいます。
英語科主任で進路国際部でも活躍する中国出身の王 恵萍(オウ ケイヘイ)先生と、英語科でポーランド出身・イングランド育ちのJulia Elzbieta Jagus(ジュリア・エルズビエタ・ジャーグス)先生に和洋九段女子中学校高等学校の英語教育について伺いました。

「好きこそものの上手なれ」
生徒に寄り添う英語教育

 和洋九段女子中学校高等学校の英語は、「英語で世界とつながる喜びを」をモットーとしています。

和洋九段_英語科主任の王 恵萍(オウ ケイヘイ)先生
英語科主任の王 恵萍(オウ ケイヘイ)先生

 英語科主任の王 恵萍先生は同校の英語教育についてこう話します。
王先生:「日本にも『好きこそものの上手なれ』という言葉があるように、やはりすべてのことにおいて何かをやる時は、楽しく感じなければ長続きはしません。

 そのため本校の英語教育では、まず生徒に英語を楽しんでもらうことを大切にしています。英語は楽しいし、英語ができたら自分の人生も楽しくなる。生徒にもそう感じてもらえたらいいなと思っています」

 中1・中2は自己理解、中3・高1は自己研鑽、高2・高3は自己実現という段階を経て、ステップバイステップで発展していく学びを展開しています。

 中学は問題解決能力を培うPBL(Problem Based Learning)型授業を徹底し、深い思考力とプレゼンテーション能力を育成する「本科クラス」と、ネイティブ教員が副担任を務める一方、礼法と茶道に取り組み日本文化に親しむ「グローバルクラス」を選択できます。高校では「グローバルコース」、「サイエンスコース」に加え、2026年度新設の「フューチャーデザインコース」の3つに分かれ、生徒たちは自分自身の未来に向き合っています。

 中学のグローバルクラスでは、海外帰国生など英語を話せる生徒が学ぶアドバンスト(英検3級以上)と、これから英語を学習するインターミディエイトという、2つのグループに分かれてレベル別に授業を実施しています。

和洋九段_英語科のJulia Elzbieta Jagus(ジュリア・エルズビエタ・ジャーグス)先生
英語科のJulia Elzbieta Jagus(ジュリア・エルズビエタ・ジャーグス)先生

 中1のグローバルクラスで副担任を務めるジュリア・ジャーグス先生が教えてくれました。
ジュリア先生:「現中1のグローバルクラスには21名が在籍しており、そのうち英語を母語とする生徒が5名います。国籍はアメリカ、ネパール、インド、さらにイランと日本の両国にルーツを持つ生徒やメキシコ生まれの日本人もおり、本校の多様性の豊かさを表すような、さまざまな価値観を持った生徒たちが共に学んでいます」

 英語科主任としてネイティブの先生方を見守っている王先生ですが、グローバルクラスや5人のネイティブ教員について、そして彼らが日々を送る校内の様子をこう話します。
王先生:「ジュリア先生はイングランド国籍で、その他のネイティブ教員はアメリカ人が3人、もうひとりはオーストラリア人です。
 生徒たちも先生方も、他人や他国の価値観を認め、共に互いを高めていける環境です」

和洋九段_クリスマスやハロウィンなどのイベントにも、積極的かつ意欲的に取り組んでいます
クリスマスやハロウィンなどのイベントにも、積極的かつ意欲的に取り組んでいます

 ネイティブであっても教員免許所持者や教員志望者を積極的に採用している同校。
王先生:「ネイティブ教員たちは、本校の一員としてプライドと高い志を持っています。楽しみながら知識を習得できるハイレベルな授業を行っており、さすがネイティブだと感じています」

 ジュリア先生は生徒たちが英語を大好きになる、アクティビティの名手でもあります。日本人教師とのチームティーチングで、それぞれの役割分担をしながらさまざまなアクティビティに取り組んでいます。

ジュリア先生:「生徒たちはゲームのように楽しみながら学べる、ビデオラーニングの『カフート(Kahoot!)』を使った授業が大好きです。例えばクイズスタイルで正解・不正解がテンポ良くわかりますし、文法のパターンも理解できます。
 私はパワーポイントで音楽を使ったクイズなども作っていて、ゲーム感覚で学ぶことができます。English Pop、Anime、Words、Watch、Karaokeといったさまざまなカテゴリがあり、テイラー・スウィフトやブルーノ・マーズなどの人気曲の歌詞の一部を穴埋めしたり、逆に日本語のアニメの曲を英語に直したり、カラオケを用いたりと、生徒たちは楽しみながら挑戦しています」

(※)「Kahoot!」:ノルウェー発のクイズ&学習ゲームプラットフォーム。学校の授業や企業研修など、幅広いシーンで活用されている。

和洋九段_ジュリア先生によるグローバルクラスの授業。アドバンストの英語はオールイングリッシュで行われます
ジュリア先生によるグローバルクラスの授業。アドバンストの英語はオールイングリッシュで行われます

王先生:「生徒たちは英語を勉強しているという感覚ではないのでしょう。グループに分かれてポイント制で競い合うなど、とても盛り上がっています。大学入試時、最重要科目といっても過言ではない英語ですが、特に中1と中2を指導される先生には、いかに楽しく勉強してもらえるかという視点で授業を工夫してもらい、お互いに授業見学をして高め合っています。
 他のネイティブ教員たちもお昼休みや放課後以外にも、『English speaking study station(SSS)』として朝8時から個別対応をしてくれたり、ディベートチームを作ってコンテストに挑戦したいと申し出てくれたり、生徒たちが楽しめる提案をたくさんしてくれます。
 皆が心を一つにして、この学校をより良くしたいという思いのもと、ご尽力くださっています」

 JETプログラムで来日しているジュリア先生たちは、日本在住のさまざまな学校のネイティブの先生方が集うコミュニティで、良い教材があればシェアし合うなど、熱心に情報交換を行っています。
 これらのつながりから他校のネイティブ教員が和洋九段の文化祭に訪れた際、こうした情熱と主体性、そして裁量権を持って生徒たちと向き合う同校のネイティブの先生方の環境を羨むことも多いのだとか。

語学を学ぶ理由は、
自分自身の人生を楽しむため!

 王先生は中国語・英語・日本語、ジュリア先生は英語・ポーランド語・日本語の、それぞれ3か国語を話すことができますが、王先生が自身のこんな体験を話してくれました。

和洋九段_放課後のEnglish Roomでも学びの機会が豊富です
放課後のEnglish Roomでも学びの機会が豊富です

王先生:「生徒に英語を学ぶ理由を聞かれた際には、『あなたの人生をおもしろくするため』と伝えています。英語ができるというのは、"You can open up a new world"、すなわち新しい世界への扉が開かれるということであり、あなた自身が新たな世界を切り拓いていく力を身につけることなのだと話しています。 私自身、高校生の時には英語をマスターしていましたが、当時の先生に話せる言語があるほど何倍も人生を楽しめると言われたんですね。それで日本語を履修することにしましたが、外国語を習得することで活躍の場が広がりました」

 中国の名門理工系大学である天津理科大学卒業後は、機械の設計図を引いたり、通訳の仕事などに従事していたりという経験を持つ王先生。夫の来日により日本で暮らす決断をし、縁のあった和洋九段で働きながら通信課程の最短期間・2年で日本の教員免許を優秀な成績で取得した努力家です。

 母の故郷であるポーランドで生まれ、9歳から父の祖国・イングランドで育ったジュリア先生。カレッジでは法律とクリエイティブライティングを勉強していましたが、その後やはり学びたいものは言語学(日本語)と教育方法(TESOL)だと思い、ユニバーシティで勉学に励んだのだそう。子どもの頃、日本のアニメに夢中になった経験から日本文化に興味を持ったと教えてくれました。日本語の語感は耳馴染みが良く好ましいと感じながらも、話すことはまだまだと謙遜します。チェコ共和国などでも英語講師として活躍した経歴をお持ちですが、同校の生徒たちはどのように見えているのでしょう。

ジュリア先生:「本校の生徒たちはとても礼儀正しく、才能にあふれ、教えていて本当に喜びを感じます。私たちを頼ってほしいですし、仲良くなりたいと常に思っています。グローバルクラスの生徒たちは特にモチベーションが高く積極的に相談しにきてくれますね。本科クラスの生徒たちにももっと英語に興味を持ってほしいので、英国の学校の文通やビデオ交換など、さまざまな計画を練って工夫を凝らしています」

和洋九段_英国大使館の方による特別講座。地の利を生かしたさまざまな取り組みも行われています
英国大使館の方による特別講座。地の利を生かしたさまざまな取り組みも行われています

 ジュリア先生は、高校のコミュニケーションやグローバル探究の授業も担当しています。グローバル探究では昨年度、駐日英国大使館の方を学校に招聘し、実りある授業が行われました。今年度は駐日ポーランド共和国大使館の方々を招くべく、現在奮闘中です。

 また『コネクティブワールド』として、生徒たちにとってあまり馴染みのない国についても、PBL型の授業で学んでいます。

ジュリア先生:「グローバル探究の授業では平和について考えると同時に、純粋に楽しく他国を知ることに焦点を当てています。例えば、とある国のランドマークや言語、食べ物、有名人を挙げてイメージを構築していきますが、生徒たちがマインドマップの枝葉を広げていくと、本当にいろいろな発想が出てくるんです。

 これらを通じて、日本がいかにさまざまな国々と意外な共通点を持っているのか、物資の供給だけでなく、アイデアや文化面でも良好な関係と平和的な交流を育んでいるかということを学びます。生徒たちがこれらの国々の名前を聞いたことがなくても、日本がどれほど世界とつながっているかを理解してほしいのです」

 なお、ジュリア先生が生徒たちに英語を教えるとき、最も大切なこととして伝えているのは、ミスをしてもOKだし、思いは通じるということです。
ジュリア先生:「例えば、私たち外国人だったら単語をつなぎ合わせたような片言の日本語で通じますし、それでも日本語ができると思っていただけます。だから同じように、文法なども気にせずに、とりあえずどんどんコミュニケーションすることが大事です。
 例えば、完璧さへのこだわりから発言を避けがちだった生徒が『フェザー(feather・羽)』という単語が咄嗟に出てこなかった時に『鳥の毛(bird's hair) 』と表現したんです。そういう発想が素晴らしいと思いましたし、言い換えても伝わったことで自信を持って臆せずに話せるようになった姿を見て感動しました」

 王先生も印象的だった生徒の成長ぶりについて教えてくれました。
王先生:「現在大学4年生になる卒業生は、中学生の時はとてもわんぱくな子でした。しかし高1からガラリと印象が変わり、東京大学を目指すように。結果的に早稲田大学の法学部に入学しましたが、彼女に話を聞いたところ、担任との面談で『あなたはやればできるんです!』と言われ、先生に認められた実感を得たことから赤門を目指したのだそうです。放課後やお昼休みごとに先生のところに質問に行く様子や常に英単語帳を手にしていた姿が印象に残っています。

 子どもたちの可能性は本当に無限大です。生徒は成長段階にあり、長い目で見守っていくことが必要です。彼女たちは本当に何かのきっかけで大きな成長を遂げていくものなのです」

 失敗もきちんと肯定してくれる、なんでも相談できる先生がいる、そして互いに認め合う土壌がある。それが和洋九段女子の環境なのです。

英検取得に向けて学校一丸で取り組む
進路相談にもネイティブの先生が活躍

和洋九段_オーストラリアの姉妹校とは30年に渡り交流を図っています
オーストラリアの姉妹校とは30年に渡り交流を図っています

 グローバルクラスは2017年からスタートしました。
王先生:「卒業時には皆、英語が堪能になっていますし、グローバルコースのアドバンストグループには、英検準1級取得の目標を課しています。
 本科クラスでも英検準1級に合格する生徒もいます。彼女たちは、英検5級からスタートしてコツコツと頑張っています。どんどん合格できていくとやっぱり嬉しいですよね」

 同校では中学生は「英検クラス」として、高校生は「Test Strategies(TS)」という名称で週1回の英検対策授業が行われています。

王先生:「『TS』とはテスト戦略のことを指します。英語の実力をつけるだけではなく、解く順番などを含めてもっとも得点しやすいように指導しています。英語科の全教員が担当しますが、基本的に英検準1級以上の授業は、私とネイティブ教員が担当します」

 同校では王先生をはじめとして、ネイティブの先生方もしっかりと英検に挑戦し、1級を取得していることが特徴です。
王先生:「英検取得のプロセスを理解するために、自分も受験しました。対策を練られるだけでなく、実際に自分たちも受けたからこそ、生徒たちがどこでつまずくのかなどの気持ちも理解できるのです」

 受験への心構えも生徒にシェアしている王先生。解答の順番などの攻略法だけでなく、例えば会場へ向かう電車ではとにかく寝ておくこと。そして会場に着いたら個人情報をまず記入することなど、経験を生かした詳細なアドバイスがなされます。

王先生:「試験は長時間に及ぶため、体力を非常に消耗します。とにかく少しでも休息して備えておくことが大事です。5分前にはお手洗いを済ませたら、キャンディを舐めて糖分を補給しておくこと。また、飲み慣れない飲み物はよくありません。大学受験の時も同じように、普段通りに過ごすといったことも含めて生徒たちに伝えています」

和洋九段_しっかりと備えつつも、トライアンドエラーを繰り返しながら、生徒たちは大きく成長していきます
しっかりと備えつつも、トライアンドエラーを繰り返しながら、生徒たちは大きく成長していきます

 なお、王先生は今年度より進路指導部も担当されています。
王先生:「私には娘がふたりおり、それぞれ推薦入試と一般選抜を経て大学に進学しました。子どもの学習時間を確保するために、共通テストの出願から各大学の出願と入学手続きまで、すべて私が行いました。
 本校にはベテランの進路指導担当がおいでですが、私は一保護者でもありますので、両方の立場から自分の子どもも含めて、成長段階のプロセスを細かいところまで見てきています。
 進路指導部として今年は1年目ですから、ベテランの方にたくさん教わりながら、でも私なりの考え方で新しいアイデアも入れて、進路指導をより良くしていきたいと思っています」

 今回のインタビューで見えてきたのは、生徒たちの未来にとって何が最良なのかを真剣に考え、実行に移す先生方の姿。そして国内外、さまざまな分野で活躍しているOGの様子などもたくさんお話しいただきました。
 ネイティブ教員も含めた先生方が誇りを持って生き生きと働き、学校が一枚岩となって生徒たちが伸びやかに過ごせる環境を整えている和洋九段女子。その様子をぜひ学校へ足を運び実際にご覧ください。

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