学校特集
光英VERITAS中学校・高等学校2026
掲載日:2026年10月6日(火)
2021年に女子校から共学校へと生まれ変わり、聖徳大学附属女子中学校高等学校から現在の校名に改称した光英VERITAS中学校・高等学校。探究的な学びを中核に据えた教育「ヴェリタス・トルネード・ラーニング」、大学進学実績の高まりなどで注目を集めていますが、一科入試にも学校の思いや姿勢はよく表れています。2027年度入試から新たに導入される「国語入試」、2025年度から実施した「算数入試」の目的や思いについて、国語科主任・松本美紀子先生と数学科主任・村越靖弘先生に伺いました。
「国語入試」新設の背景
重視するのは「思考表現力」
光英VERITAS中学校・高等学校が、2027年度入試から新設する国語入試。新設に至った背景について、国語科主任の松本美紀子は次のように話します。
松本先生:「国語の力、いわゆる思考力・判断力・表現力は、実は他の多くの教科での学びに通じるものです。最近は、算数や理科の問題でも、長い文章を正しく読み取ったうえで解答するような形式が増えていますし、本校の入試問題でも、自分で文章をまとめたり、考えを端的にまとめたりする要約問題を出してきました。そうした総合的な国語力を、国語が得意・好きな子たちにうまく実力を発揮してもらい、受験を乗り越えてほしいという思いから、国語入試を導入することにしました」
国語入試の問題で重視するのは、記述を通じて「考える力」と「表現する力」。そのため、記述問題を中心に出題する予定だといいます。
松本先生:「この入試では、自分で考え、自分の言葉で文章を作ったり、答えをまとめたりする『思考表現力』を見たいと考えています。記述問題は、字数制限を設けるものと字数制限は設けずに解答欄の大きさから分量を判断してもらう問題の大きく2パターンを用意する予定です。また、自分の考えや意見を書くようなタイプの問題も出そうと考えています。『あなたの考えを述べなさい、そのうえで根拠を示して答えなさい』という形です。例えば、社会的な問題を扱った長文であれば、それと同じように、自分が注目している社会課題について、解決のためにどんな方法があるかを聞く――このような問題は、これまでも何回か出題してきています」
ただし、実施初年度でもあり、より多くの受験生にチャレンジしてほしいという思いから、難易度は同校の一般入試よりもやさしく設定する方針だといいます。そして、採点方法については次のような工夫を凝らしています。
松本先生:「国語一科入試を今回初めて導入するため、"受験しやすさ"を大切にしたいと考えています。そのため、特別な対策をしないと太刀打ちできないような問題ではなく、一般的な受験対策でも十分に対応できるような難易度を意識しています。また、採点は複数人で行い、評価がぶれないようにルーブリックを作成し、部分点も設定する方向で考えています。要点が入っていれば加点を行う採点方法なので、"書けそうにないから空欄にする"ではなく、少し足りないところがあってもいいから諦めずに書いてほしいですね」
飛び抜けて国語が得意でなくても、塾で特別な対策を取っていなくても、「正確に読み取る」「自分で考えて書く」といった基本の国語力が備わっていれば、十分に合格できる入試であると教えてくれました。
松本先生:「国語が好き・得意な子はもちろんですが、本を読むのが好きな子、自分の考えを文章にするのが好きな子には、特に向いている入試だと思います。読書を通じて培われた読解力・語彙力は、そのまま得点力につながるでしょう。国語には、漢字や四字熟語、慣用句などを覚える学習もあり、それは時間のかかるものですが、そこにきちんと向き合う努力ができる子は、きっと他の教科も伸びていくはずです。受験生に『楽しかった、おもしろい文章に出合えた』と思ってもらえるような入試にしたいと考えています」
実施5年目の「算数入試」
見つけたいのはダイヤの原石
2025年度より、算数入試を実施してきた光英VERITAS中学校。実施の背景には、"従来(一般入試)の算数の入試とは異なる視点で受験生を評価したい"という学校の思いがありました。数学科主任の村越靖弘先生はこの入試についてこう話します。
村越先生:「本校の算数入試の根底には、"受験生に、受験の機会を増やしてあげたい"という思いがあります。一般的に、中学受験の算数の入試では、塾でしか習わないような旅人算やニュートン算のような特殊算を反復練習して、素早く処理できるかを問うものが多いと思います。しかし、そうした特殊な訓練を積んでいなくても、算数の能力が高い子はきっといるはずです。四則計算や割合と比、図形を頭の中でイメージする力といった基本的な土台さえしっかりしていれば、中学校以降の数学には十分対応できます。そうした、いわば"ダイヤの原石"を発掘したいという思いがずっとありました」
算数一科入試では基礎力を重視するため、基本を問う問題を中心に出題。塾に通っていない受験生でも、小学校での算数がしっかりと身についていれば十分に合格できる水準に設定されています。問題数は多めですが、難易度は同校の一般入試よりも易しく設定されているそうです。
村越先生:「基本的な問題を、素早く正確に解く力があれば合格できる入試です。逆にいうと、難しい問題を解いて算数の楽しさを感じたいというタイプの子にとっては、正直あまりおもしろみはないかもしれません。新設した当初は、20~30人受けてくれたらうれしいという思いでしたが、徐々に本校の思いと入試の性質が認知されるようになり、直近は100人近くの受験生に受けてもらえるようになりました」
入学後の様子を見ても、一般入試生との間に学力面での大きな差は感じられず、むしろ算数入試で入学した生徒には、着実に物事に取り組む姿勢が見られることも多いそうです。小学生の間に受験勉強へ全力を注いだ結果、中学入学をひとつのゴールと捉えてしまう生徒がいる一方で、のびのびと過ごしてきた生徒の方が中学からのスタートを前向きに捉えられるケースがあるのかもしれません。
ちなみに同校では、非常に高い難度の問題で算数を得意とする生徒を選抜する理数特待入試も実施しています。算数入試と明確に役割を分けることで、受験生に対し、受験の機会を広げています。
村越先生:「算数が得意な子のほうが数学もできる傾向にはありますが、算数が苦手だったけれど、中学校の数学から急にできるようになったという生徒もたくさん見てきました。だから、いま算数が苦手でも、数学を諦める必要はまったくありませんし、"自分は文系だ"と安易に決めつけないでいただきたいですね。そういう原石のような生徒と出会い、伸ばしていくのがこの算数入試の役割だと思います。算数が苦手だなと思っている子にもぜひ受験してほしい。諦めるな、というのが私からのメッセージです」
それぞれの「一科入試」に
表れる光英VERITASの思い
国語入試と算数入試では、出題の形式こそ異なりますが、大きな共通点があります。それは、「基本的なことをコツコツと頑張れる受験生を評価する、受け入れる機会」であることです。国語入試では、記述を通じて自分の考えをまとめ、表現する力そのものを評価します。一方、算数入試においても、特殊なテクニックやセンスではなく、基礎を積み重ねてきた確かな土台を評価します。どちらも、単に「解ければよい」ものではなく、日々の学びに地道に向き合ってきたがどうか、を学校が見ようとしている点で通じているといえます。
入試で判断した国語力・算数力は、同校が掲げる「地球を守る自覚と実践力のある次世代リーダー」の育成、探究的な学び「ヴェリタス・トルネード・ラーニング」ともつながっています。松本先生、村越先生はそれぞれ次のように話します。
光英VERITASの「ヴェリタス・トルネード・ラーニング」
松本先生:「本校が掲げる『次世代リーダー』は、人や社会、自然など、あらゆるものに貢献できる人のことを指しています。将来、社会で『地球を守る』を自覚・実践していく上では、人と関わること、協働が必要です。そこで重要になるのが、コミュニケーション能力です。自分の考えを相手に伝える力、逆に相手の言いたいことを汲み取る力の両方が欠かせません。そこを鍛えられるのが、国語力なのです。国語は、コミュニケーション力を培うために重要な役割を担う教科。中高の6年間で培った力は、必ず将来に役立つはずです」
村越先生:「物事をしっかり分析できる力、情報を正しく取捨選択できる力を伸ばすことが、算数・数学に与えられた使命だと思います。私はよく、生徒たちに『疑う力(自身で確かめる力)を持ちなさい』と話します。目の前で起きていることは本当に正しいのかどうかを見極める力は、数学で鍛えられるのです。数学は、答えを出して満足するのではなく、なぜそうなるのかを考えていくことが大切な教科。例えば、私自身、『1日3食食べる』という世の中では当たり前のことに対して、疑ってみたことがあります。実はもう10年以上も1日1食の生活を送っていて、とても健康に過ごせています。決しておすすめはしませんが(笑)。これはちょっとした例でしたが、当たり前だと思っていることを一度疑い、自分で確かめてみる――将来的に求められるこのスキルは、数学を通じて鍛えられるものだと思います」
一科入試を用意することで、コツコツ頑張る受験生に向け、チャンスの扉を大きく開く光英VERITAS中学校・高等学校。入学後も、国語・算数で築き上げた土台を着実に伸ばしていくことができるでしょう。
中学受験は、4教科での挑戦がすべてではありません。国語、算数に真剣に向き合ってきた経験をお持ちのお子様は、光英VERITASの一科入試という選択肢をご検討してみてはいかがでしょうか。
