学校特集
品川女子学院中等部・高等部2026
「0限」が広げる学びの選択肢
掲載日:2026年7月1日(水)
「私たちは世界をこころに、能動的に人生を創る日本女性の教養を高め、才能を伸ばし、夢を育てます。」をスクール・ポリシーに掲げる品川女子学院。2025年には創立100周年を迎え、より充実した教育活動を行える新校舎も完成しました。900席以上の客席と音響設備が整った講堂や、4万冊の蔵書を備えた図書室、プレゼンや発表会などに利用できる多機能なスペースやカフェテリアが整い、生徒たちの学びをサポートしています。そして、2026年度からは、「0限(任意活動時間)」という新たな取り組みもスタート。「0限」を活用して特別講座を行う教頭補佐・数学科の白石賢佑先生と、実際に「0限」を有効活用する生徒2名にお話を伺いました。
「0限」の有効活用で実現!
苦手克服や学びの深化
品川女子学院で2026年度から新たに始まった「0限」は、朝8時15分から9時までの45分間のことで、「生徒たちが自由に使える時間」としています。例えば、予習や自習など"学び"のために使ったり、学校行事・委員会・探究活動などの"打合せ・準備"に充てたりするなど、その活用の仕方はさまざまで、活用するか否かも、生徒たちの判断に委ねられています。教頭補佐の白石賢佑先生は「0限」を設けた背景と目的について、次のように説明します。
「これまでは生徒たちが自由に使えるまとまった時間は、早朝や昼休み、放課後しかありませんでした。そのため、学校行事やイベント、探究活動の打合せや準備などは原則放課後に行っていました。しかし放課後は、クラブ活動や課外活動、テスト勉強などもあって忙しい時間でもあります。特に大人数で集まる際などには調整がなかなか難しく、やりくりに苦労する生徒たちの姿をよく目にしてきました。そこで、こうした問題を解消するため、朝に自由に使える時間を設けることにしたのです。学校の開門が7時30分なので、8時15分よりも前に登校することも可能です。この『0限』では、自習や読書、委員会や探究活動など、クラブ活動以外のさまざまな活動を自分で決めて自由に活用できます。『0限』は強制するものではないので、9時5分の始業時間(教室での出欠)に合わせてゆっくり登校しても大丈夫です」
「0限」では、教員による講座もスタート。この5月から数学の講座を始めた白石先生はその実施概要を次のように説明します。
「私の数学の講座は、対象学年を指定せず、毎回テーマをピンポイントで絞り込んで実施しています。例えば、『二次関数』といった大きな単元ではなく、その単元内の『絶対値』や『必要条件・十分条件』など各テーマにフォーカスして教えるイメージです。生徒は事前に参加申請をすれば自由に参加できます。"すでに習ったが十分に理解していない"、"このテーマだけが苦手"という生徒たちのサポートになれれば、と考えています。講座では、生徒が限られた時間で内容をきちんと理解することをいちばんの目的としているため、授業で行う以上にきめ細かく丁寧に説明し、生徒が書き写す必要がないようにプリント類もすべてこちらで用意。せっかく朝早く登校して講座を受けているのだから、しっかりと内容を理解して、次につなげてほしいと願っています」
白石先生は、参加人数を20名程度と想定して始めたそうですが、実際は30名近くの生徒が集まる日もあるそうです。数学は得意・不得意が大きく分かれる教科。そしてこの特別講座は、従来の補習授業(授業の進み具合や教科書の内容に合わせながら、学年ごとに対象の生徒に向けて実施)とも、大きく異なります。そうした点が、高い学習意欲を持つ生徒たちの心をとらえたのでしょう。白石先生はこう続けます。
「この講座は、数学が不得意な生徒だけでなく、成績上位者や数学好きの生徒が参加することもあります。そのため、さらに学びが深まるような話や授業では伝えきれないような内容にも触れるように意識しています。参加する生徒たちは皆、意欲に溢れていますので、こちらもついつい熱が入ります(笑)。今後は、先輩が後輩に教えるチューター制度のような形式を取り入れていくことも良さそうだと考えています」
特別講座は教科に限らず行われています。なかには、生徒たちが哲学対話を行う講座もあり、「なぜ勉強をするのか」、「友達と親友の違いは何か」といった答えのない問いについて言葉を交わし合うなど、早くも盛り上がりを見せています。
自習・企画準備・アート活動
生徒2名が語る「0限」活用
生徒にとって、自由度が高い「0限」。中3のN.S.さんと高2のS.U.さんに、「0限」を実際にどのように活用しているのか聞いてみました。
●活用事例1:自習、実行委員、起業体験などに活用(中3のN.S.さん)
――「0限」をどのように活用していますか。
スタンプラリー形式の自習に参加したり、起業体験や体育祭の打ち合せを行ったりして、ほぼ毎日活用しています。スタンプラリー形式の自習は、中3では約40人が参加し、自習の内容は各自に委ねられています。1か月継続すると先生から景品がもらえるので、それも楽しみに頑張っています。最近は、先生方が行う特別講座も増えてきたので、今後はぜひそちらにも参加したいと考えています。
――「0限」をフル活用されていますね。打ち合せではどんなことを話し合っているのですか。
例えば、起業体験プログラムの取締役としては企画書の提出に向け、企画の話し合いを行ったり、プレゼンの準備に取り組んだりしています。また、私は文化祭と合唱祭の実行委員も務めているので、それぞれ開催に向けた準備、開催後には反省会なども行っています。
―― 「0限」の良さはどんなところですか。
大きく2点あります。1点目は、勉強面です。朝いちばんの頭がすっきりとした状態のときに自習を行えることや、授業が始まる前に自習をすることで脳を勉強モードに切り替えることができ、授業も以前より集中しやすくなったと感じています。
2点目は、時間調整を行いやすくなったことです。これまでは学校での自習や打ち合せは、7時台などかなり朝早い時間帯もしくは放課後に行うしかありませんでした。でも今は「0限」の時間帯に行えるようになったので、ゆとりを持って学校生活を過ごせるようになりました。特に大人数で集まる打ち合せの際は、皆の予定を合わせることが大変だったのですが、「0限」のおかげでスムーズに調整できるようになりました。
●活用事例2:有志団体のアート活動の打ち合せに活用(高2のS.U.さん)
――「0限」をどのように活用していますか。
私が代表を務める有志団体『Artry!(アートライ)』の活動を行っています。『Artry!』は、"若者のアート離れの解消"を目的に、4学年上の先輩が立ち上げた団体です。活動メンバーは、中2~高2までの約10人で、普段の主な活動はWHAT MUSEUMやポーラ美術館などで行う鑑賞会ですが、「0限」の時間は美術室に集まってさまざまな打ち合せを行っています。
―― S.U.さんが『Artry!』に入ろうと思ったきっかけは?
初めて『Artry!』のことを知ったのは文化祭でした。起業体験の様子や展示を偶然見たこと、そして仲の良い先輩が携わっていたこともあり、興味を持ったのがきっかけです。美術部に入っていましたし、幼少期に祖母と美術館へ行って楽しかった記憶があり、中3の終わり頃に加入しました。
――最近は「0限」でどんな打ち合せを行ったのですか。
以前、高1の学年行事の校外授業の企画として、ポーラ美術館での鑑賞会を『Artry!』で提案したのですが、それが採用されて実現することになりました。ただ、高1生には『Artry!』のメンバーがいません。そこで、各クラス2名のファシリテーターを決め、「0限」の時間に集まってもらい、「どのように芸術やアートに親しむのがいいか」、「どういった声かけを行うといいか」などについて、『Artry!』メンバーからアドバイスしました。
――『Artry!』活動以外での「0限」活用、また「0限」の良さについても教えてください。
化学の講座を受けたり、文化祭実行委員の活動を行ったりして、ほぼ毎日活用しています。これまでは放課後に集中していたさまざまな活動が、「0限」という朝の時間を使えるようになったことで、その日のうちに済ませられることが増えて、とても助かっています。
ふたりの話からは「0限」が学校生活にすっかり浸透し、有効活用されている様子が見られます。学校生活に余白を生み、「学びを深めたい」、「仲間と話し合いたい」といった生徒の意欲を大きく支える有意義な取り組みであることは確かです。
常にアップデートを続ける学び舎
6年間で「起業マインド」を醸成
創立100年の歴史と伝統を大切にしながらも、学びの内容と教育環境の両面で進化を続ける品川女子学院。「社会のあらゆる場所で、起業家的なマインドを持って他者への影響力を発揮する人物がグローバル社会におけるリーダーたり得る」との考えから、「28project」(※)を通じて起業マインドを醸成する教育を実践しています。
※「28project」......生徒が28歳の自分を思い描き、それを実現するためには何が必要か、どう行動すべきかを模索し、理想とする未来に向かっていくためのプロジェクト
「能動的に人生を設計できるようになり、将来は社会で活躍したい」、「さまざまなことに主体的にチャレンジしたい」――そう考えるお子様にはぴったりの学校です。ぜひ、学校見学や説明会の場に訪れ、品川女子学院の魅力のかけらを体感してみませんか。
