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学校特集

品川翔英中学校高等学校2026

国際基準の学びが、海外大学への進路を開く

掲載日:2026年7月17日(金)

 品川翔英は1932年の創立以来、時代の変化に応じた先進的な取り組みを進めながら、生徒一人ひとりの挑戦を後押しする教育を大切にしてきました。2020年度には共学化し、国際基準の英語力を身につけるため、ケンブリッジ大学出版社の教材を導入。英語を知識として学ぶだけでなく、4技能を総合的に育み、実践的に使える英語力を伸ばす教育を進めています。その取り組みが評価され、2026年2月にはCambridge English Educational Partnerに認定されました。
 また、2026年4月から日本での高校卒業とともにアメリカの高校卒業資格を同時取得できるデュアル・ディプロマ・プログラム(DDP)を導入。海外大学への進学も視野に入れた新たな学びの環境を整えています。
 英語科主任のJustin Bonanno(ジャスティン・ボナーノ)先生に、英語教育とDDP導入による進路選択の拡大についてお話を伺いました。

英語を"学ぶ"から"使う"へ

品川翔英_

 2020年度から、テストのためだけではなく、実際のコミュニケーションで使える英語力を育てることを目的に、ケンブリッジ大学出版社が開発したカリキュラムと教材を導入した品川翔英。生徒たちは国際基準の英語力の習得を目指し、年に1度ケンブリッジ英語検定を受検し、学習の到達度を定期的に確認しています。

 英語科主任のジャスティン・ボナーノ先生は、日本で初めて英語の授業を見た際、「英語を実際に使うのではなく、教科としての英語を知識として学んでいるように見えた」と振り返ります。

「『この動詞がきたら、単語はこう変わる』と英語を使わずに解説する姿が印象的でした。授業で十分な発話量を確保しないと、対話力は育ちません。本校ではケンブリッジ大学出版社の教材を活用し、コミュニケーションの中で使える英語力を着実に育てていきたいと考えています」

品川翔英_英語科主任のジャスティン・ボナーノ先生
英語科主任のジャスティン・ボナーノ先生

 その教材の違いは、「見開きページを比較するだけでも明らか」とボナーノ先生は語ります。

「日本の英語の教科書では、長文読解や文脈から切り離された単語学習が中心になることが少なくありません。一方、ケンブリッジ大学出版社の教材には、長文読解に加え、クリティカル・シンキング(批判的思考力)を養う設問やライティング、友達との対話活動など、4技能を総合的に活用する課題が組み込まれています。

 クリティカル・シンキングは、情報を鵜呑みにせず、自分の考えを整理し、根拠をもって表現する力を育てます。生徒たちは英語を学ぶだけでなく、英語を使って考え、自分の意見を伝える経験を積んでいきます」

 授業は、ケンブリッジ英語検定の対策にもつながっています。

 ケンブリッジ英語検定は100年以上の歴史を持ち、現在では約130の国と地域で活用される検定です。日本の英語検定と比べると、海外の教育機関や企業などでも英語力を測る資格として活用されており、進学や就職などさまざまな場面で利用できます。日本の大学入試においても、個別試験の加点や出願資格として評価されています。

 特徴は、英語の4技能を総合的に評価する点です。スピーキング試験では、面接官と受検者2名で行う形式が採用されており、実際のコミュニケーションに近い状況で、対話力を含めた実践的な英語力が測られます。

 結果は、語学力の国際指標であるCEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)に準拠して評価されます。レベルは基礎段階のA1(英検3級相当)から、C2(英検1級以上・ネイティブスピーカーに近いレベル)までの6段階で示され、自身の英語力を国際基準で把握することができます。

「実用的な英語を身につけると、結果として大学入試や英語検定など、どの試験の合格レベルにも近づくことができます。読めば読むほど読解力が上がり、話せば話すほどスピーキング力が伸びる。英語の4技能は、互いに高め合う性質を持っているのです」(ボナーノ先生)

国際水準の英語教育

品川翔英_教員同士のワークショップ
教員同士のワークショップ

 これらの取り組みが評価され、2026年2月には品川翔英がCambridge English Educational Partnerに認定されました。これは、ケンブリッジ大学出版社が、世界水準の優れた英語教育を実践する教育機関を公式に認定・支援するグローバルな制度です。

 認定を受けるには、英語4技能の育成、国際基準であるCEFRに準拠したカリキュラム、ケンブリッジ大学出版社の教材活用、定期的な教員研修など複数の条件が求められます。

 ボナーノ先生は、「質の高い英語教育を提供するためには、教員の定期的な研修が不可欠」と語ります。

「英語科では月に1度、教員同士によるワークショップを設けています。これは英語科から選出した5人の教員がリーダーとなり、ケンブリッジ大学出版社の研修を受けた内容を共有するもの。具体的には、どのようなアプローチなら、生徒一人ひとりの英語力に合った指導ができるかを考えていきます。教員が継続してスキルアップすることは、生徒の英語力向上につながります」

 また、ボナーノ先生は、「日本の英語力の伸び悩みは、アジア諸国と比較しても明らか」と現状を危惧します。

「アジアの国々でも英語教育に力を入れる動きは年々強まっています。グローバル化が加速する現代において、英語力は欠かせません。生徒たちには実用的な英語を学び、新しい世界へ踏み出す力を身につけてほしいと思っています」

 同校の大学合格実績はケンブリッジ大学出版社のカリキュラムと教材を導入して以降、国公立大学や早慶上理、GMARCH、海外大学へと広がりを見せています。その背景には、生徒一人ひとりの努力だけでなく、学校全体で取り組む英語力向上の成果もあると考えられています。

 ボナーノ先生が何より大きな変化として感じているのは「道に迷う外国人に声をかけて片言の英語で道案内するなど、英語が得意でなくても、積極的にコミュニケーションを試みる生徒が増えてきた」と感じていることです。

「言語の壁がある相手に手を差し伸べられることは、本校が目指す成長のひとつの姿だと思います」(ボナーノ先生)

海外大学への道を開くDDP

品川翔英_未来の選択肢を世界へ広げる品川翔英
未来の選択肢を世界へ広げる品川翔英

 英語力向上の取り組みに続き、2026年度からはデュアル・ディプロマ・プログラム(DDP)を導入しました。

 このプログラムは、アメリカ・ロードアイランド州にある中高一貫進学校・プロビデンス・カントリー・デイ・スクール(PCD)のオンライン・カリキュラムを履修することで、品川翔英高校卒業時に、PCDの卒業資格も取得できます。海外大学を選択肢として考える生徒にとって、大きな後押しとなる制度です。

 一定の条件を満たせば、TOEFLやIELTS、SAT、ACTなどの受験を経ずに、PCDと提携する40校のパートナーシップ大学への推薦入学制度が利用できるほか、アメリカの約200大学が加盟する返済不要で、授業料が最大60%免除される奨学金制度の応募資格が得られます。

「2020年度から、DDP導入に向けて準備を進めてきました」と語るボナーノ先生。その背景には、海外での学びが日本の将来につながってほしいという願いがあります。

「海外で積極的に経験を積むことは、より良い日本をつくることにつながると確信しています。海外には、日本では経験できない多様な価値観や文化があります。例えば、ヨーロッパの働き方や、ドイツ、フランス、イギリスの社会には学ぶべき点がたくさんあります。そうした教育や考え方に触れた人が日本に増えれば、日本の社会全体が少しずつ変わっていくのではないでしょうか。

 少子高齢化をはじめ、日本にはさまざまな課題があります。海外での経験が、それらの課題を解決する新しい発想につながるかもしれません。海外大学を卒業した後には、海外の良いところをたくさん持ち帰ってきてほしいですね」

品川翔英_海外の現地校で交流を重ねる様子
海外の現地校で交流を重ねる様子

 ボナーノ先生の思いが通じてか、品川翔英では海外大学を進路に選ぶ生徒が増えています。

 現在は、高1の国際教養コース27名のうち、15名が海外大学を希望しているそう。希望する専攻は、心理学や経済学、コンピューターサイエンスなど、将来の夢に向けてさまざまです。

「昨年度は海外大学への進学希望が数人程度だったことを考えると、大きな変化です。
 本校では、夏休み・冬休みに短期語学研修を実施し、サマーキャンプ・ウインターキャンプと呼んで4つのコースを設けています。ホームステイしながら、現地校に通い、すべて英語で授業を受けます。この中で、カナダ・ブリティッシュコロンビア州のヴィクトリア学区でのサマーキャンプに参加した生徒の中に、『またカナダに戻りたい』とDDPに参加して現地の大学への進学に挑む生徒もいます。現地でのグループワークなどを通じて、自立心や挑戦する力が育まれたのでしょう」

オンラインで、2つの学校へ通う挑戦

品川翔英_デュアル・ディプロマ・プログラムのオンライン授業を受ける生徒
デュアル・ディプロマ・プログラムのオンライン授業を受ける生徒

 DDPの受講対象は、高校での留学を予定していない中1から高1までの生徒です。英語力に不安がある場合でも、中1から参加することができます。「DDPは留学よりも費用の負担が抑えられるのも魅力。国際的な教育を望む家庭にとって新たな選択肢となるでしょう」(ボナーノ先生)

 2026年度のDDP参加者は、中3が2名、高1が3名。そのうちCEFR B2レベル(英検準1級相当)の力がある生徒は1名で、多くはまだその段階に達していないものの、ボナーノ先生は「大切なのは、英語力よりもやる気」と語ります。

「DDPの導入を知り、私のところへ何度も質問に通った生徒もいました。やる気があれば、英語力は後からついてくる。私はそう信じています」

 生徒たちは週2~3日、帰宅後にオンライン授業を受講します。その授業内容はデュアルの名の通り、2つの学校に同時に通うような密度が濃いものです。

 そのような生徒たちを見守りながら、ボナーノ先生は「最初に戸惑うのは、日本と海外の授業スタイルの違いではないか」と推察します。

「日本では教員が一方向に話す授業が多いですが、海外では生徒と教員が意見を交わし、体験を通じて学びを深める授業が主流です。これはソクラティックメソッドと呼ばれる手法で、繰り返し問いを投げかけることで、自分の考えを掘り下げ、論理的に説明する力を養っていくのです」

 品川翔英には、さまざまな国・地域出身で、かつさまざまな分野を専攻しているネイティブ教員が在籍しているため、オンラインの授業内容がわからない場合は、個別にサポートできます。

 家庭でのサポートについて尋ねると、ボナーノ先生は「意欲のある生徒なら、過度なサポートは必要ない」と答えます。その理由は、「DDPを通じて自分で課題を解決する力が育つから」。

「本校とDDP双方の課題に追われ、生徒自身の負担が大きくなるかもしれません。大切なのは、目の前の課題を分析し、自分なりの解決策を見つけることです。Problem Solving Skills(問題解決能力)を育てていきたいと思っています」

 DDPを履修する生徒が増えることで、日本の授業への向き合い方にも変化が生まれることに期待しています。数年後には、ソクラティックメソッドの手法に慣れた生徒が、品川翔英の授業でも積極的に意見を交わし、自分の考えを論理的に説明する姿が見られるかもしれません。

10年後に「頑張ってよかった」と思える未来へ

品川翔英_未来に向けて、学び続ける品川翔英の生徒たち
未来に向けて、学び続ける品川翔英の生徒たち

 生成AIの普及によって翻訳機能が進化し、他言語を学ぶ意義について問われる場面が増えてきました。しかし「学ぶ価値は変わらない」とボナーノ先生は語ります。

「言語学習には、言語を学ぶだけではなく、その国の歴史や文化を学び、そのことを通じて世界そのものに目を向けるという側面があります。例えば日本語には『本音』と『建前』という言葉がありますが、私の母国であるカナダにはそうした考え方はありません。言葉があるからこそ理解できる概念があるのです。

 3言語以上を話すマルチリンガルたちは、発想や考え方がとてもユニークです。その背景には、言語を通して多様な価値観に触れていることがあるのかもしれません。だからこそ、生徒たちには自分自身のために、言語学習を続けてほしいと思います。

 それに、どれだけ翻訳機能が進歩しても、正しい内容か判断する力は必要です。そのためにも英語力は必須と言えるでしょう」

 ボナーノ先生は、「10年後に振り返った時、どの進路を選んでも『良かった』と思える未来を、生徒たちと一緒につくっていきたい」と語ります。

「留学もDDPも、生徒にとっては課題が多く、辛い時もあるでしょう。でも、その経験は必ず力になります。環境が変わると、人は大きく成長します。私も仕事で日本に来て、生き方が大きく変わりました。生徒にも同じように素晴らしい経験をしてほしい。そうすれば、きっと10年後の未来に『頑張って良かった』と満足できる自分になっているでしょう」

 品川翔英の教育理念は、「学び続けるLEARNER」の育成。自ら学び、考え、成長し続けるための知的な刺激が、同校には数多く用意されています。

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