【品川女子学院】生徒がつくる未来のカタチ!探究と起業体験が彩る「白ばら祭2026」
2026年10月11日12日、品川女子学院(品川区・女子校)にて文化祭「白ばら祭」が開催されました。2026年度のテーマは「新章開花」。生徒全員が活き活きと輝く文化祭となりました。レポートします。
品川女子学院とは
品川女子学院の教育方針は、「私たちは世界をこころに、能動的に人生を創る日本女性の教養を高め、才能を伸ばし、夢を育てます」。「世界」「能動的」「日本」「女性」「教養・才能」「夢」がキーワードです。一人ひとりの能力をできるだけ大きく伸ばすことを一番のテーマとし、1年生から6年生まで各学年の現状に柔軟に対応した学びを展開しています。
「白ばら祭」とは
創立101周年を迎えた品川女子学院で、今年も学校最大の文化祭「白ばら祭」が開催されました。今年のテーマは「新章開花~咲き誇れ、101年目の白ばら~」。新たな歴史の幕開けにふさわしく、生徒たちの個性と創造力が存分に発揮された2日間となりました。半年以上にわたり準備を重ねてきた生徒たちは、仲間と協力しながら展示や発表、さまざまな企画を実現。なかでも、実際の企業活動を体験する「起業体験プログラム」では、商品企画や販売活動を通じて、社会とつながる実践的な学びが展開されました。会場には生徒たちの熱意と笑顔があふれ、日頃の学びの成果と成長を実感できる文化祭となりました。今回は、その活気に満ちた白ばら祭の様子をレポートします。
1年生「身の回りの『問題』を探す」
1年生(中1)は「身の回りの『問題』を探す」をテーマに、社会や日常生活に潜む課題の発見と解決に取り組みました。5月には千葉県木更津市の「クルックフィールズ」を訪問。「水の循環と生物多様性」「フードロス」「ゴミと資源」など、6つのプログラムに分かれてサステナビリティについて学びました。その経験をもとに、社会の課題を「自分ごと」として捉え、仲間と話し合いながら探究テーマを設定。デザイン思考の手法を活用し、身近な問題について調査や取材を重ね、解決策を模索してきました。白ばら祭では、これまでの学びや実践の成果を発表。自ら問いを立て、考え、行動する生徒たちの姿から、探究学習を通じた成長が感じられました。
ONETES記事【品川女子学院】持続可能な社会への問いを探して「1年生宿泊研修」


2年生「社会と自分のつながりを考える」
2年生(中2)は「社会と自分のつながりを考える」をテーマに、身近な課題から日本社会や文化へと視野を広げた探究学習に取り組みました。道徳総合学習では、ゆかたの着付けや茶道、いけばななどの日本文化を体験し、伝統文化に込められた「和の心」を学習。さらに京都での学びを通じて、日本社会や文化への理解を深めました。各クラスでは、日常生活の中から問題点を発見し、デザイン思考の手法を活用。「観察・共感」「問題定義」「問題解決」「試作」「検証」という段階を踏みながら、解決策を考え、実践してきました。白ばら祭では、その探究の過程と成果を発表。社会とのつながりを意識し、自ら課題に向き合う生徒たちの主体的な学びが伝わる展示となりました。


3~5年生「起業体験プログラム」
3年生(中3)~5年生(高2)が取り組む「起業体験プログラム」は、生徒たちが実際の企業活動を体験しながら、社会の仕組みや経営について学ぶ実践的なプログラムです。生徒一人ひとりが社長やマネージャー、会計長、社員などの役割を担い、企業との交渉や事業計画書の作成、資金調達、商品販売、株主総会までを経験します。事前に実施される「起業体験プレゼンテーション」では、企業理念や事業内容を発表し、その評価によって出資金額や出店場所が決定。白ばら祭では、各企業が理念に基づいて選んだ商品を販売するとともに、事業の過程を紹介する展示やIRレポートも公開されました。生徒たちの主体性や創造力、仲間と協働する力が発揮される、品川女子学院ならではの学びの場となりました。
~3年A組~(株)PakEco
3年A組の「(株)PakEco」は、「ゴミに新しい命を」を企業理念に掲げ、環境問題の解決と社会貢献を目指す企業です。社名には、まだ使えるものを捨てず、新しい価値を生み出したいという思いが込められています。社長は小学校4年生からの起業体験の経験を生かし、より環境に配慮した会社づくりに挑戦しました。白ばら祭では、お菓子の空き容器をアップサイクルしたポーチを販売。廃棄されるはずだったものに新たな価値を与える工夫が光りました。商品販売を通じて、環境保全の大切さを来場者に伝えるとともに、身近な社会課題について考えるきっかけを提供。生徒たちの創意工夫と行動力が感じられる取り組みとなりました。


~4年~(株)Mermade tears
4年生(高2)の「(株)Mermade tears」は、海洋環境の保全と社会貢献を目指し、環境に配慮した商品づくりに取り組む企業です。社長は起業体験を通じて経験を積んできた先輩たちへの憧れから、自らも会社を立ち上げたいと考え、仲間とともに活動を始めました。白ばら祭では、海洋プラスチックを活用したボールペンや、ペットボトルキャップを再利用したキーホルダーなどを販売。さらに、海岸で拾ったシーグラスを使ったアクセサリー制作体験も実施しました。廃棄されるものに新たな価値を生み出すアップサイクルを通じて、海の豊かさを守る大切さを発信。商品販売だけでなく、ものづくりの楽しさを伝えながら、環境問題を身近に考える機会を提供する取り組みとなりました。


~5年~(株)Drer U.
5年生(高2)の「(株)Dear U,」は、手紙を通じて人と人とのつながりや感謝の気持ちを大切にすることを企業理念に掲げた企業です。社長は、これまで人前で大勢をまとめた経験がなかったものの、高校最後の起業体験で自分を成長させたいという思いから立候補。社員と協力しながら会社づくりに挑戦しました。白ばら祭では、白ばら便やふたりを繋ぐ往復便、白ばら一言タグなど、手紙を書くきっかけとなる商品を販売。「手紙を書く機会がほしい」「字に自信がない」といった人にも、気軽に思いを届けてもらえるよう工夫しました。デジタルでの交流が身近な時代だからこそ、手書きの温かさや言葉で気持ちを伝える大切さを発信。人とのつながりを見つめ直す、心温まる取り組みとなりました。


~5年~(株)Anyway
5年生(高2)の「(株)Anyway」は、「英語を通じて新しいことに挑戦する楽しさを広めたい」という思いから誕生した企業です。社長は起業体験プログラム説明会での先輩の言葉に刺激を受け、自らも社長に挑戦することを決意。仲間とともに会社づくりに取り組みました。白ばら祭では、海外での生活経験を持つ生徒たちの強みを生かし、英語を楽しく学べる体験型企画を展開。英語でジェスチャーを表現するゲームやイマーシブ体験、キーホルダー作りなどを通じて、子どもから大人まで気軽に英語に親しめる機会を提供しました。英語が得意な人も苦手な人も楽しめる工夫が随所に見られ、英語を学ぶ楽しさと、新しいことに挑戦する大切さを伝える取り組みとなりました。


あとがき
創立101周年という新たな歴史の一歩を踏み出した品川女子学院。今年の白ばら祭も、生徒たちが自ら考え、仲間と協力しながら、一つひとつの企画を形にしてきた努力と成長を感じることができました。特に印象的だったのは、社会の課題を「自分ごと」として捉え、解決に向けて主体的に行動する生徒たちの姿です。起業体験プログラムでは、商品を販売することだけが目的ではなく、企業理念に込めた思いを実現しようとする姿勢が伝わってきました。知識を身につけるだけでなく、実社会とのつながりの中で学びを深めていく。そこには、これからの社会で求められる探究の力が育まれていました。生徒たちの挑戦と成長に、品川女子学院の教育の魅力を感じた白ばら祭でした。
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