【品川女子学院】持続可能な社会への問いを探して「1年生宿泊研修」Vol.1
品川女子学院では、1年生を対象にSDGs宿泊行事を実施しました。同校が大切にする、課題を発見し、人々の声に耳を傾けながら解決策を考える力を育む学びです。千葉県木更津市のクルックフィールズを訪れ、社会課題を自分事として捉え、「自分に何ができるか」を考察。「起業マインド」や「デザイン思考」を育む探究の第一歩となる3日間となりました。
今回の記事は、Webにて2部構成でご紹介しています。
品川女子学院の魅力と28project
品川女子学院は、東京都品川区で京浜急行線・北品川駅の目の前にに位置する女子校です。学力の向上だけでなく、社会で活躍できる女性の育成を目指し、国際理解や異文化交流、探究学習など多彩な教育活動を展開しています。
一人ひとりの個性や可能性を大切にしながら、自ら考え、行動する力を育むことを重視している点も大きな特徴です。生徒たちは授業や学校行事、クラブ活動などを通して、多様な価値観に触れながら成長しています。
その象徴的な取り組みが「28project」です。これは「28歳の自分」を一つの目標として設定し、生徒が将来の生き方や働き方について主体的に考えるキャリア教育プログラムです。社会課題の発見や解決に挑戦する探究活動を通して、起業家精神やリーダーシップ、社会に貢献する意識を育んでいます。
28projectのスタートとなるSDGs宿泊行事
品川女子学院では、28projectのスタートとして、1年生を対象としたSDGs宿泊行事を実施しています。
生徒たちは、千葉県木更津市にあるクルックフィールズを訪問し、自然・農業・食・循環型社会について体験的に学びながら、持続可能な社会の実現に向けた課題について考えました。施設内でのフィールドワークやグループ活動では、普段の暮らしと社会課題とのつながりを発見し、「なぜこの問題が起きているのか」「自分たちにできることは何か」と問いを立てながら、学びを深めていきます。
同校が大切にしているのは、課題を発見し、人々の声に耳を傾けながら解決策を考える力です。本研修は、SDGsについて知識として学ぶだけではなく、社会課題を自分事として捉え、解決に向けて行動するための力を育む機会として位置づけられています。また、同校が大切にする「起業マインド」や「デザイン思考」を育む最初の一歩となる学びでもあります。仲間との対話や協働を通じて、多様な価値観に触れながら、「自分は社会のために何ができるのか」を考えることも、この活動の大切な目的の一つです。
こうした経験は、その後の28projectにおける探究活動やキャリア形成の土台となります。社会をより良くするために、自分には何ができるのかを考える第一歩として、生徒たちは3日間にわたる学びに取り組みました。
今回は、28projectの始まりとなる2026年度SDGs宿泊行事の2日目(5月29日)の様子をレポートします。
1)クルックフィールズで学ぶ持続可能な未来
SDGs宿泊行事の2日目は、クラスごとにクルックフィールズ「アドバンスプログラム」に参加しました。アドバンスプログラムは、クルックフィールズが実践するサステナブルな未来づくりをテーマにした探究型学習です。環境問題や食、農業、資源循環などを題材に、実際の現場で学びながら社会課題について考えることを目的としています。生徒たちは専門スタッフの案内のもと、それぞれのテーマに沿った体験活動に取り組み、持続可能な社会の実現に向けたさまざまな取り組みについて理解を深めました。
A組が参加した「水の循環と生物多様性」では、水の循環システムの見学や水質調査、水生生物の採集・観察を行いました。生徒たちは実際に水辺の環境を調べながら、水がどのように循環し、多様な生き物の命を支えているのかを学びました。人間の暮らしと自然環境のつながりを実感し、水環境を守ることの大切さについて理解を深めました。

▲「水の循環と生物多様性」水質調査の様子

▲「水の循環と生物多様性」水生生物の採集・観察の様子

▲「水の循環と生物多様性」水生生物の採集・観察の様子
B組が参加した「生産現場と消費選択」では、実際にニンジンを収穫し、規格外野菜の選別や模擬販売体験に取り組みました。収穫から販売までの流れを体験することで、生産者がどのような思いで農作物を育てているのかを学びました。また、規格外野菜の現状を知り、消費者の選択が生産現場や農業の未来に与える影響について考える機会となりました。

▲「生産現場と消費選択」ニンジン収穫の様子

▲「生産現場と消費選択」規格外野菜選別の様子


▲「生産現場と消費選択」模擬販売体験の様子
C組が参加した「ゴミと資源」では、コンポスト施設の見学や資源循環に関するワークに取り組みました。普段は捨ててしまう生ごみや廃棄物が、新たな資源として活用される仕組みを学ぶことで、「ゴミ」という概念そのものを見直す機会となりました。限りある資源を循環させることの重要性を理解し、持続可能な社会づくりについて考えました。
D組が参加した「フードロス」では、規格外野菜を活用したドレッシング作りに挑戦しました。まだ食べられるにもかかわらず廃棄されてしまう食品の現状や世界的な食料問題について学びながら、食品ロス削減のために自分たちができることを考えました。身近な課題を自分事として捉えることで、持続可能な消費行動への理解を深めました。
E組が参加した「循環型農業と美味しい野菜」では、農作業体験や循環資源づくりを通して、野菜づくりと環境保全がどのようにつながっているのかを学びました。農業は作物を育てるだけでなく、土や水、生き物との関わりの中で成り立っていることを知り、生徒たちは自然の恵みの大切さを実感しました。普段何気なく口にしている野菜が、多くの工夫と努力によって育てられていることへの理解も深まりました。
F組が参加した「獣害と地域」では、箱罠の見学や食肉加工に携わる方へのインタビューを通して、獣害問題や地域社会の課題について学びました。農作物を守るための取り組みや、捕獲された動物の命を無駄にしない工夫を知ることで、命をいただくことの意味について考える機会となりました。自然と人との共生について理解を深める学びとなりました。
昼食には、学びをさらに深めるランチボックス『ビビンバ丼』が用意されました。木更津産の猪肉やクルックフィールズで育てられた有機野菜など、地域の食材をふんだんに使用しており、生徒たちは食を通して地域資源や持続可能な農業について理解を深めました。午前中の体験活動を振り返りながら味わうことで、学びと食のつながりを実感する時間となりました。また、お弁当箱にはバガス(サトウキビの搾りかす)を原料とした環境配慮型の容器が使用されていました。使用後は堆肥化されて農地へ還元される仕組みとなっており、生徒たちは食材だけでなく容器にも資源循環の考え方が生かされていることを学び、持続可能な社会への理解を深めました。
Vol.2につづく
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