受験生マイページ ログイン

学校特集

明星 Institution 中等教育部2026

多摩から世界へ。国際色豊かな新設コースで多様性の本質を学ぶ

掲載日:2026年8月6日(木)

東京・府中市の豊かな緑に恵まれた広大な敷地に佇む明星中学校・高等学校のキャンパスに、2026年4月、「明星Institution〈インスティチューション〉中等教育部」が新設されました。「自己創造力の育成」という教育基盤のもと、第1期生である61名を迎えてスタートを切った同コース。今回は、副校長として運営を統括する室﨑 摂先生に、MIの教育理念から具体的な取り組み、今後の展望について伺いました。

第1期生61名の出発!
多様な個性が集うMI

明星_副校長の室﨑 摂先生
副校長の室﨑 摂先生

「明星Institution中等教育部(以下、MI)」が2026年4月に開校してから数か月。第1期生として入学した中学1年生の計61名は2クラスに分かれて学びを進めています。副校長の室﨑 摂先生は、生徒たちの様子について次のように話します。
「生徒たちは皆とても活発で、毎日楽しくにぎやかに過ごしています。『この61名と私たち教員がこの学校で出会い、スタートできたことは得難い縁であり奇跡です』と生徒たちには常々伝えています。成績や進学実績への期待はもちろんですが、それ以上に、この子たちには大きな伸びしろがあるという確信を持っています」(以下、室﨑先生)

明星_のびやかに学校生活を送る生徒たちの未来が楽しみです
のびやかに学校生活を送る生徒たちの未来が楽しみです

 61名の中には、国際生が6名在籍しています。MIの国際生とは、海外からの帰国生にとどまらず、国内のインターナショナルスクール出身者や、家庭での主要言語が日本語以外の生徒も含む幅広いものです。来年度は2クラスから3クラス体制に拡張して、受け入れ数をさらに増やし、各クラスに5名程度の国際生が加わる構成を目指しています。
「親子の会話で英語を話されるご家庭も増えています。国籍を問わず、複数言語を日常的に使うことが当たり前の環境が、この学校では自然な形で整っています」

 そう話す室﨑先生自身も、国際教育の第一線で実績を積み重ねてきたキャリアをお持ちです。前任校の渋谷教育学園渋谷中学高等学校(以下、渋渋)では、英語科教諭、国際部部長、高校教頭として約15年間勤務。それ以前は、国際基督教大学高等学校にて帰国生教育に携わり、夫の赴任に合わせてベルギーの日本人学校や早稲田渋谷シンガポール校で勤務した経験もあります。
「MIの校長・井上一紀先生は、渋谷教育学園幕張中学校・高等学校(以下、渋幕)で校長補佐・進路部長を務めておられました。このMI新設にあたっては、私を含め、渋谷教育学園に勤務していた優秀な先生方や、その先生方とご縁あって繋がっている方ばかりです。高い志と熱意にあふれた、信頼できる教員陣が揃ったことも大変心強く感じております」

「3ブロック制」が支える6年間
2年ごとに実現する段階的成長

明星_ステップバイステップで大きく成長していきます
ステップバイステップで大きく成長していきます

 MIでは、グローバル社会で求められる5つの力「国際性」「指導力」「先見性」「知的好奇心」「主体性」を段階的に伸ばすカリキュラムと環境を整えています。そのカリキュラムとは、「3ブロック制」です。渋渋や渋幕でも採用実績があり、独自理論に基づくこの学習カリキュラムをMIの6年間の基盤に据え、生徒の能力を最大限に引き出していきます。

「中高6年間を2年ごとに区切り、A~Cの3ブロックに分けた学習プログラムです。ブロックごとに教育目標を設定し、生徒の成長ステージに合わせた学びを提供しています。中学校過程では、学習指導要領に定められた標準時間の1.5~2倍の時間数を確保しているため、中1・2の2年間で中学校の学習内容を修了、中3から高校課程の内容へ進みます」

【3ブロック制について】

Aブロック(中学1・2年):基礎学力の構築と学習習慣を確立
少人数制の30人台クラス編成で、一人ひとりにきめ細かな指導を実施。英語・国語・数学・理科・社会の授業時間を重視し、確かな基礎学力を徹底的に身につけます。同時に、主体的に学ぶ姿勢や学習習慣を確立し、社会における自分の立ち位置を理解する力を養います。

Bブロック(中学3・4年=高校1年)):知識を応用して論理的思考力や創造性を育成
培った基礎力をベースに、論理的思考力や創造性を育みます。海外研修や芸術講座、自らテーマを設定した学術研究論文への取り組みなど、教科の枠を超えたプロジェクトを通して自己の興味関心や特性を客観的に分析することで、アイデンティティの確立を目指します。

Cブロック(中学5・6年=高校2・3年):進路目標の達成と同時に、実社会の課題解決に立ち向かえる力を育成
自ら決めた進路目標の達成に向けて、専門性を深めていきます。文系・理系の枠組みに加え、多様な選択科目を用意することで生徒一人ひとりの志望に合わせた学習を可能にします。難関大学受験に対応する高度な学力養成のほか、グローバル社会で求められる課題解決能力やコミュニケーション力も育成します。


 また、この教育プログラムを推進するための羅針盤となるのが、「MIシラバス」です。各教科のシラバスはMI独自に作成され、各学期の到達目標・使用教材・評価基準を明示したうえで生徒・保護者双方に配布します。
「シラバスは毎年更新・追加され、6年間の学習記録として蓄積されていきます。期末試験で高得点を取っても、提出物の未提出が続けば評価は下がります。そうしたことも、生徒たちにはあらかじめ伝えています」
 MIでは、3ブロック制とMIシラバスをベースにしながら、確かな学力と豊かな人間性を兼ね備えた真のグローバル人材の育成を目指しています。

国際教育の本質は「パーソナル」
多様性の尊重と人権意識の醸成

明星_多方面から世界を学んでいきます
多方面から世界を学んでいきます

「グローバル教育という言葉には、率直に申し上げると違和感を覚えていました。海外へ行けばグローバル教育、文化交流をすればグローバル教育というアプローチは本質を捉えていないと感じています」

 室﨑先生はそう前置きしたうえで、MIが目指す国際教育の核心について語ります。
「ある方との対話の中で、『グローバル教育とは結局パーソナルなことだ』という言葉をいただきました。全人格教育の一部に位置づけられるものであって、それ以上でも以下でもない、という認識です」
 MIが掲げるミッションステートメントには「Safe(安心)・Valued(かけがえがない)・Respected(大切にされる)」という3つのキーワードが示されています。"誰もが大切にされ、一人一人が「自分らしくていい」と胸を張れる場所です。お互いの価値を認め合い、尊重し合える未来へ"という思いが込められています。

 この思想は日常の学校運営にも反映されています。イスラム教の生徒が礼拝できる環境の整備も、様々なバックグラウンドを持つ生徒が共存する空間づくりも、「特別な配慮」ではなく「自然な前提」として設計されている点が、MIの国際教育の基盤です。
「日本語という言語の枠組みの中だけで考えていると、思考の範囲が制約されることがあります。英語という別の言語を通じることで、その枠組みを超えた発想が生まれやすくなる。そうした言語の持つ可能性を、生徒たちに体感させたいと考えています」

地域・大学との有機的な連携
府中の教育資源を最大限に活用

明星_緑豊かな文教地区に位置し、施設も充実しています
緑豊かな文教地区に位置し、施設も充実しています

 国際教育の実践的な取り組みとして、室﨑先生が挙げたのが「大学連携の強化」です。東京外国語大学、ICU、東京農工大学、一橋大学など、多くの大学が集まる立地を生かし、大学との連携を進める構想があるそうです。将来的には、海外留学生をMIの授業に招きたいと話します。

「Bブロック後半からCブロックにかけては、近隣大学に在籍する留学生をメンターとして授業に招き入れ、生徒の英語での発表や探究活動をサポートするプログラムの導入を計画しています。東京外語大・ICUとの連携については、今年度中に具体的な枠組みを整えたい考えです」と、室﨑先生は教えてくれました。

 また、府中市との連携も進んでいるそうです。
「生徒たちには、積極的に地域課題に触れ、社会とつながりながら学ぶ経験をしてほしいと考えています。明星学園がこれまで持ち続けてきた地域との接点や教育資産を活かしながら、MIの視点で展開していくことが、今後の重要な課題です」

 英語力の強化という観点では、授業内での英語ディベートがすでに始動。今夏に開催される全国高校生模擬国連大会には、明星高校の生徒4名が出場する予定です。前任校時代から長年模擬国連に参加してきた実績がある室﨑先生は、「模擬国連は、教員主導では長続きしません。生徒自身が『やりたい』と思うことが大事なのです。自ら面白いと感じ、意欲を持って主体的に関わることが、持続可能な活動の前提条件ですね」と話します。今年の大会への参加を起点とし、将来的にはMI生が模擬国連活動の担い手として育っていく仕組みをボトムアップで構築していきたいと意気込みます。

中3・高2で海外研修を予定
「自分の外側」に出る体験を

明星_海外大学進学について考える機会も豊富です
海外大学進学について考える機会も豊富です

 MIでは、中高6年間の中で2回の海外研修を実施する計画を進めています。1回目は中3生の3学期、2回目は高2生時です。中3生の海外研修は、少なくとも2週間で実施する方針で、渡航先は英語圏を中心に現在検討中だそうです。

「2週間の海外プログラムで生徒に何を得てほしいかと問われれば、小さな成功体験の積み重ねと、不便な状況の中で自分と向き合う経験です。日本の生活環境は世界的に見て非常に恵まれています。その前提から離れ、自分の力だけでは解決できない状況に置かれることで、初めて得られる気づきがあります。当たり前だと思っていたものがそうではないと実感する経験は、異なる環境に身を置かなければ生まれません」

多様性と摩擦が生む力
今後の発展を目指して

明星_学校行事にも全力で臨みます
学校行事にも全力で臨みます

「均質化した集団の中では、摩擦は生まれません。しかし、新しいものも生まれないと思います」
 取材の締めくくりに室﨑先生はそう語りました。室﨑先生がこれまで歩んだ教員人生は、多様な背景を持つ生徒・教員との協働の連続でした。その知見と実績は、MIが掲げる「多様性を当たり前の前提とした教育環境」とも重なります。

「今後、MIが進化・発展していくには『個々に違いがあること』を強みとしていくことが必要だと思います。そのために大事なのは、『否定しない』、『ネガティブな姿勢を持ち込まない』ことです。それをまずMIの教員たちが実践できていることは、現状の最大の強みです。生徒たちの良い手本となりながら、指導に力を注ぎたい」と、室﨑先生は力強く話しました。

 生徒と保護者からの大きな期待と注目を集めながらスタートを切ったMI。室﨑先生の言葉の数々からは、今後の教育の発展と無限の可能性を感じさせます。

 多様性の本質を理解したい、将来はグローバルで活躍したいと考える方は、ぜひ学校説明会やオープンキャンパスに足を運び、学校の魅力をぜひ深掘りしてみてください。

学校ホームページはこちら 学校データベースはこちら